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2004年06月05日
短大廃学 四年制も安泰でない
高知新聞社説(6/02)より地域に根差した高等教育機関の一つが、姿を消してしまう。全国的な傾向とはいえ、廃学につながる土佐女子短期大学の募集停止決定は、大学淘汰(とうた)の波が、本県にも及んだことを物語る。
開学から十三年で幕を閉じることになるが、大学が存在する限り使命は終わらない。在学生への対応には万全を期してもらいたい。
同短大には不利な要素があったのは確かだが、短大廃学は淘汰の一波にすぎず、やがて四年制大学に及ぶ可能性がある。高知大、高知女子大、高知工科大には一段の運営努力が求められる。
十八歳人口の増加、大学進学率の上昇、経済力の向上など、大学教育の量的拡大を支えてきた条件は、ここにきて大きく変わった。特に十八歳人口は減少が続いている。
状況の変化は、大学、学部ごとの人気をさらに分化させた。四年制大学か短期大学か、立地場所は都市か地方か、共学かどうか、時代に合った学科があるかどうか、などを軸に二極化が進んだ。
守勢に立たされた短大側は、四年制へのシフト、共学化、学科再編などを通じて生き残りを模索する。
それができないと厳しい選別にさらされ、四国では徳島県や香川県で募集停止などに追い込まれる事例が出ている。
本県の場合、同じ私学でも実学主体で伝統のある高知学園短大と比べると、後発で二学科しかない土佐女子短大の不利は否めなかった。生徒減少期の開学でもあった。
ただ、こうした要素があるにしても十年余りでの募集停止は、大学の使命を考えると、計画性、運営の在り方に問題を残した。
今いる学生への影響は最小限に抑えるべきだ。突然のニュースに動揺が広がっているが、大学は教育、進路などで学生が不利益を受けないよう努力する責務がある。
個別事情があるとはいえ、今回の募集停止を例外視することはできない。募集停止の前兆である定員割れは、四年制大学にも広がっている。四年制とて安泰ではない。
法人になった高知大は、「地域の大学」の旗印を一層鮮明にした。高知女子大は共学化を含めた改革論議のさなかにあり、高知工科大は地域貢献の具体化が問われる。
大学ごとの状況は違っても、外部環境は一様に厳しさを増している。淘汰の時代を生き抜く戦略を再点検し、より確かなものにしたい。
投稿者 管理者 : 2004年06月05日 00:07
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