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2004年06月09日

沖縄の目線で教科書づくり/全国初、琉大教官ら出版へ

沖縄タイムス(6/08)より部分引用

 琉球大学の教官らが、琉球・沖縄史を中心に日本や東アジアとの関係に広がりをもたせた社会科教科書の作製を進めていることが七日までに分かった。「地域からの視点」を編集方針に掲げた社会科教科書の作製は全国でも初めて。中学用を軸に、早ければ次回の文部科学省検定が実施される二〇〇八年度に申請を予定。教育界でも規制緩和や地方分権がうたわれ、教育特区の設定など変革が加速しており、地域版教科書は全国の教育関係者に大きな影響を与えそうだ。

 作製グループ代表の高嶋伸欣教授は「地域の歴史と住民運動を盛り込むことで、日本の歴史と民主主義を豊かで魅力的なものにすることができる。全国各地にも同様な動きが広がってほしい」と話している。琉球・沖縄史に関する副読本は、仲原善忠著「琉球の歴史」など数種類作られたが、教科書は初の試み。

 計画しているのは、教育学部社会科教育専修の全教官と附属小・中学校の教諭ら計十七人。大学の重点研究として予算を得て、昨年度から中学と高校の公民と歴史教科書の再点検を進めている。

 「沖縄戦を日本国内で唯一の地上戦」「沖縄戦が四月一日から始まった」との誤記があることや、日本軍による住民虐殺や集団自決、対日講和条約について記述不足が目立つことから、沖縄版教科書に最新研究を盛り込んで正しい知識を定着させたいとしている。

 また教科書出版社は東京や大阪など大都市に集中しており、内容も地域差のない一国主義の視点だと指摘。学習指導要領は「地域の具体的な事柄とのかかわりの中で我が国の歴史を理解させる」ことを求めており、琉球・沖縄の歴史から日本や東アジアへ目を向けさせ、歴史の動きや本質を考えさせる力を身に付けさせる編集は、同要領に合致するとしている。

 高嶋教授は「沖縄と日本の記述バランスが、検定のポイントになるだろう」と話している。

 沖縄版教科書の検定申請について、文科省初等中等局教科書課は「学習指導要領など検定基準を逸脱していなければ、システム上問題はない」としている。


投稿者 管理者 : 2004年06月09日 00:37

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