個別エントリー別

« 教授らから嫌がらせのアカハラ、28大学で「あった」 | メイン | 私立大、財務戦略に走る、不動産投資や格付け取得−生き残りへ学習環境整備 »

2004年06月21日

琉球大医学部、地位利用嫌がらせ(アカハラ)訴訟 最高裁上告棄却

 6月16日付の本ブログで「琉大助教授の敗訴確定 最高裁が上告棄却」の見出しをもつ沖縄タイムスの記事を掲載しました。今日,Academia e-Network Letter No 126 (2004.06.19 Sat)において,この問題が取り上げられていましたので,再度,同最高裁事件に関する琉球新報(2004年6月15日)の記事とともにここに掲載します。

琉大助教授敗訴が確定 アカハラ訴訟

琉球新報朝刊(2004/06/15)より

 琉球大医学部の助教授が、教授から嫌がらせを受けたとして、大学などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は十四日までに、助教授の上告を退ける決定をした。大学側に約五十五万円の支払いを命じた一審那覇地裁判決を取り消し、請求を棄却した助教授敗訴の二審福岡高裁那覇支部判決が確定した。決定は十日付。
 助教授は、論文データのねつ造を指摘したことなどから、教授(当時)との関係が悪化し、講義から外されたと主張していたが、二審判決は「教授の裁量の範囲を明らかに逸脱したとはいえない」と判断していた。
 助教授は「不満の残る結果だが、一審でアカデミックハラスメント(大学などでの地位を利用した嫌がらせ)の事実が認められ、アカハラを許さない機運が高まった」と話した。

Academia e-Network Letter No 126 (2004.06.19 Sat)より

━ AcNet Letter 126 【2】━━━━━ 2004.06.19 ━━━━━━
http://university.main.jp/blog/archives/001224.html より

琉大助教授の敗訴確定/最高裁が上告棄却
 沖縄タイムス 2004年6月15日 朝刊 27面
 http://www.okinawatimes.co.jp/day/200406151300.html#no_9
──────────────────────────────

#(国を有罪とした那覇地裁判決文【2-3】でも事実認定されていることは「教授の裁量の範囲を明らかに逸脱したとはいえない」と司法が決定。担当した裁判長は平成14年の東京高検検事長

──────────────────────────────
【2-1】無限回廊サイト> 最新判決情報 FEB/2003
──────────────────────────────

2003年(平成15年)2月12日、那覇地裁で担当教授から講義外しなどの嫌がらせを受けたとして、琉球大医学部の****助教授(63歳)が国と教授(65歳)を相手取り、550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。清水節裁判長は「大学は教授の嫌がらせを知りながら適切な指導を怠った」として、国に慰謝料55万円の支払いを命じた。判決によると、教授は1999年(平成11年)4月、**助教授を担当講座の講義と実習からすべて外した。また大学は教授の要望を受け、99年度版大学職員録の所属講座の欄から**助教授の名を外し、別の場所に掲載した。訴状によると、両者の対立は1991年(平成3年)10月、助教授が雑誌に投稿した論文に教授が著者として連記するよう求め、助教授が拒否したことで始まったという。清水裁判長は「教授は7年にわたってあつれきが続いていた助教授の存在を疎んじて講義から外し、裁量を逸脱して違法な嫌がらせをした。職員録発行で助教授の社会的評価が低下し、名誉を害した」と認めた。しかし教授本人への賠償請求は「公務員の違法行為は(雇用者である)国が賠償責任を負う」として退けた。判決後、**助教授は「現在は医学英語の講義だけで専門の生理学の講義をやらせてもらえず、生きがいをとられた悔しさがある。大学に早く非倫理的行為を是正してほしい」と述べた。琉球大の森田孟進学長は「本学の主張、立証が理解してもらえず、大変残念」とコメントした。弁護団によると、教育研究機関での上
司による嫌がらせをいう「アカデミック・ハラスメント(アカハラ)」訴訟で原告の勝訴は全国的に珍しい。最近では大阪高裁が昨年1月、奈良県立医大アカハラ訴訟で女性助手の訴えを認め、県に11万円の損害賠償を命じた例がある。国が一審判決を不服として福岡高裁那覇支部に控訴する方針を固めたことが2月25日、分かった。

──────────────────────────────
【2-2】訴状全文
──────────────────────────────
【2-3】那覇地裁判決文全文:
──────────────────────────────
平成15年2月12日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成11年(ワ)第818号損害賠償請求事件

口頭弁論終結日 平成14年10月4日

「・・・・・・先に述べたところによれば、前記2(1)で検討した被告**の行為のうち、原告の講義・実習を取り上げたことは違法と評価されるべきであるが、その行為は被告**が琉球大学教授としての権限に基づいて行ったものであり、「公権力の行使」に当たるというべきである。そして、公権力の行使に当たる国家公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には、国がその被害者に対して賠償の責に任ずるのであって、公務員個人はその責を負わないものと解すべきであるところ、被告**の違法行為については、被告国が賠償責任を負うのであって、被告**が負うものではないといわなければならない。・・・・・・

那覇地方裁判所民事第1部
裁判長裁判官  清 水  節
裁判官  高 松  宏 之
裁判官  池 田  弥 生 」


投稿者 管理者 : 2004年06月21日 00:12

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1253

コメント