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2004年06月21日

「日本のメディアは死んだか」、自衛隊イラク派兵差止訴訟第1回口頭弁論 6月18日名古屋地裁の結果報道!

 6月18日名古屋地裁で,自衛隊イラク派兵差止訴訟の第1回口頭弁論が開かれた。この裁判は約2300人の原告が国に対し「自衛隊のイラクへの派兵の差し止め」「イラクへの自衛隊の派兵が違憲であることの確認」「イラク人への加害者となることの精神的苦痛の一部として原告一人につき、1万円の慰謝料」を求めた初の裁判である。この日,法廷に入りきれない約200人近い原告が名古屋地裁に集まった。
 第1回口頭弁論では,訴状,主張書面,答弁書等に基づいて原告・被告側がそれぞれ意見陳述を行った。原告側の意見陳述においては,「訴訟の会」代表の池住義憲氏のほか岡崎市の麻田和歌子さん(82歳),グローバルピースキャンペーン発起人のきくちゆみさん(40歳代),桑名市の伊藤めぐみさん(19歳)の4人の市民が証言台に立った。きくちゆみさんは,アメリカ同時多発テロ後,報復戦争を食い止めるために設立したNGO活動の経験を通じて,戦争のない世界に変えていくことは可能だと述べた。麻田さんは,口頭弁論終了後の報告集会において「前の戦争を知っているものはもっとしっかりしろといいたい」と語った。(文・ホームページ管理人)

[補足]

 この第1回口頭弁論の原告団の様子と報告集会における弁護士および意見陳述した4人のスナップ写真は,下記の「たんぽぽ・だより」サイトに掲載されている。

■「たんぽぽ・だより」http://www.geocities.jp/jinkenyogo/report/
第1回口頭弁論の原告団,報告集会における弁護士・意見陳述者の写真

 なお,改憲阻止を訴え,日本の良識を代表する9名の著名人が呼びかけた「9条の会」報道やアピール提示の時もそうであったが,この種の反戦に関わり憲法判断を問う事件報道については,大手全国紙は示し合わせたように伝えない(「9条の会」報道では,「朝日」は第三社会面の写真つきの囲み記事、「毎日」は社会面「情報ファイル」での短信扱い、「読売」や「産経」は一行もなく,文字通り、改憲に反対する運動を黙殺した)。また共同通信に加盟している50数社についても事情は全く変わらない。大学の日経テレコム21で検索できる新聞全て調べてみた。当該記事は地元中日新聞でもみつからなかった。今回,下記のような記事が掲載されていたが,それはローカルレベルの一般窃盗事件以下の字数扱いである(鹿児島国際大解雇事件でさえ地裁第1回口頭弁論の記事は2紙で報道されたし字数も多い−鹿国大解雇事件第1回口頭弁論報道。また「おれおれ詐欺」などに至っては全国の新聞総体で何千・何万回報道されたことか!)。

 辺見庸氏も強調するように,権力に立ち向かう日本のメディアはもはや大半が「死んだ」と判断せざるを得ない。佐賀大学の豊島耕一氏は,市民の手にメディアを取り戻すべく,「改憲阻止メディア広告10万円×10万人計画」を提唱されておられる。本ブログにおいて最初,同計画をコメント投稿された時は冗談かと思った。しかし,冗談ではなく本当に1人10万円を拠出しなければならない時期に来ているのかもしれない。豊島氏は今後この10万円×10万人=100億円基金計画を現実的・具体的にどのように進められようとしているのだろうか。

(文責: 数学の大半を忘れ,計算式を用いた「募金シミュレーション」が理解できなかったホームページ管理人)

派遣差し止め訴訟で原告、「戦争に加わりたくない」

日本経済新聞名古屋版(2004/06/19)

 「イラクに自衛隊を派遣したのは憲法違反」として、愛知県を中心とする非政府組織(NGO)の代表者ら約二千三百人が国を相手取り、派遣差し止めと違憲確認、精神的苦痛に対する慰謝料として一人当たり一万円の支払いを求めた訴訟の第一回口頭弁論が十八日、名古屋地裁(気賀沢耕一裁判長)で開かれた。
 原告側は「戦争に加わりたくない」などと意見を陳述。国側は慰謝料の支払いについて棄却を求め、派遣差し止めと違憲確認については訴えの内容説明を求めるのにとどまった。

自衛隊のイラク派遣訴訟、国側棄却求める/名古屋地裁

中部読売新聞(2004/06/19)

 自衛隊のイラク派遣は憲法に違反するとして、派遣に反対する全国の原告2363人が国を相手取り、派遣差し止めと1人当たり1万円の慰謝料を求めた訴訟の第一回口頭弁論が18日、名古屋地裁(気賀沢耕一裁判長)であった。国側は原告の請求棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。

自衛隊イラク派遣訴訟 原告「憲法9条違反」 国側、争う姿勢示す−名地裁

毎日新聞中部(2004/06/19)

 ◇第1回口頭弁論
 自衛隊のイラク派遣は憲法違反として、愛知県を中心に2363人が国に対して派遣差し止めと、原告1人当たり1万円の慰謝料の支払いなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、名古屋地裁(気賀澤耕一裁判長)で開かれた。
 原告側は「戦火の絶えないイラクに自衛隊を派兵することは、憲法9条に違反する」と主張。国側は慰謝料請求の棄却を求め、争う姿勢を示したが、派遣差し止めについては認否を保留した。
 この後、原告団代表の池住義憲さん(60)ら原告4人が意見陳述した。池住さんは「徹底した平和主義に立つ憲法がイラク派兵を許さないことは明白」と述べた。愛知県岡崎市の麻田和歌子さん(81)は、第二次世界大戦で空襲にあった体験などに触れ、「戦争の犠牲は庶民が負う。自衛隊の派兵を阻止できなければ、日本はまた戦争に走ることになる」と訴えた。
 訴状によると、イラク復興特別措置法に基づく自衛隊の派遣は、憲法が保障する平和的生存権を侵害し、憲法9条に違反していると主張。派遣の差し止めと違憲の確認、慰謝料の支払いを求めている。同訴訟は2月に1262人が1次提訴、4月に1101人が2次提訴した。原告団は近く3次提訴を予定している。


投稿者 管理者 : 2004年06月21日 00:25

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『9条の会』の記者会見で、奥平康弘氏(東大名誉教授)がこんなことを言っています。 「9条をポジティブに押し出していく。世界にむけての意味、外交・経済政策にも活かせる意味を引き出していくことが大切だ」。 [続きを読む]

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» スーパー爺、自衛隊イラク派兵を喝破する from PWPニュース
自衛隊派遣違憲訴訟 原告側、人質事件や政府姿勢を批判−−札幌地裁 元自民党衆院議員で防衛政務次官だった箕輪登・元郵政相(80)=小樽市=が、自衛隊のイラク派遣は違憲として派遣の差し止めと、慰謝料1万円の支払いを国に求めた訴訟の第2回口頭弁論が・・・( [続きを読む]

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