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2004年06月22日

産学連携にも成果主義−給与・研究費、実績に連動、大学、導入へ評価法検討

日経産業新聞(2004/06/21)より

 企業との共同研究など産学連携の取り組み実績を教職員に配分する研究費用や給与に反映しようとの試みが大学の間で広がっている。成果に応じて今まで以上に報酬を与え、優秀な人材の囲い込みにつなげようとしている。
 教員の研究成果を特許などの知的財産にし、企業に移転する業務で早稲田大学の技術移転機関(TLO)と連携を決めた日本女子大学。特許収入が大学に入る体制を整え始めたのを機に、後藤祥子学長は現在大学が毎年各教員に学部ごとの一律で支給する研究費に、成果主義を導入しようと考えている。
 研究費の消化は同じ学部内でも教員によって偏りがある。不足する教員は文部科学省の科学研究費補助金などに申請し、不足分を確保している。後藤学長は研究費の一部は一律分として「低めに」保証するが、企業との共同研究、特許出願などの実績を毎年研究費に反映させる考え。実績をどのような仕組みで評価するかまでは詰めていないが、学内規定の改定に向け、方針を予算委員会に夏休み前に提案する。
 東京理科大学もTLOや知的財産本部で能力給の導入を検討している。社団法人発明協会が同大のTLOに派遣している「特許流通アドバイザー」を参考にする。
 同アドバイザーは企業OBが中心で給与は固定給と成果給で構成する。発明協会によると、大学に派遣するアドバイザーのほとんどは固定給が年収六百万円、成果反映分は同五百五十万円が上限。大学や発明協会は学内の研究シーズや技術移転先の企業の発掘への取り組みなどで業績を評価し、成果給を決める。幡野純常務理事は「能力で収入が決まるという状況を学内につくり、教職員への導入に備える」と語る。
 教員が学会で発表する論文などを人事評価として重視する近畿大学も、産学連携や研究成果を評価基準に加え、「産学連携を強化するための基礎作りに」(宗像恵副学長)と考えている。今年四月から学部長を務める理工学部で教員の人事評価項目に特許出願件数や地域企業との共同研究を加えた。評価対象を工学部や産業理工学部に広げたい考えで、実績に応じて特別手当を出す案も浮上している。


投稿者 管理者 : 2004年06月22日 00:10

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