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2004年07月07日

イラクODAをめぐる戦略と戦争犯罪

イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)・東海公聴会(2004年6月27日)

イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)東海公聴会実行委員会ODA調査チーム、 「証言 小泉純一郎首相、その戦略ODAをめぐる戦争犯罪」より 以下部分引用

小泉純一郎首相、その戦略ODAをめぐる戦争犯罪

イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)
東海公聴会実行委員会ODA調査チーム

……

3.イラクODAの犯罪性

(1)イラクODAは無法な援助である
 ODAは建前としては要請主義である。つまり、被援助国からの援助要請を受け、初めて援助が行われる仕組みになっているわけだ。実際上は丸投げを受けたコンサルタント会社が援助の必要性を捏造し、途上国の政府に援助の要請をさせるという形が取られていたが、ともかく要請主義の建前だけは守られてきた。
 しかし、小泉政権は、この最後の建前さえも投げ捨ててしまった。ODAでは、援助は交換公文という形で正式に取り決められるが、イラクODAではこの交換公文が締結されていないのである。
 考えてみれば、交換公文が結ばれていないのも当然である。イラクには現在正統な政府が存在せず、また技術者が現地入りできない状態になっているからである。正統政府がなく、技術者も現地入りできなければ、コンサルタント会社によるプロファイや「仕込み」さえできないのだ。イラクを占領しているアメリカとの間であれば、交換公文を取り交わすこと自体は可能であるが、今度はアメリカがODA対象国ではないためにODAの実施基準に違反してしまう。
 交換公文とは、一定内容の合意をしたためた文書を相互に交換することによって発効させる条約の一種とされており、締結した政府はその内容に拘束されることとなっている(1974年3月4日の衆議院外務委員会における宮崎繁樹参考人(明治大学教授)の供述より)。その意味で、交換公文はれっきとした国際法の一形式である。それを結ばないままODAを供与するということは、このODAが何者にも拘束されない、文字通り「無法」な援助となってしまうことを意味している。国民の意思に基づく自主的な政府のないイラクへODAを供与することは、それ自体が国際法に違反する疑いの強い行為であり、直ちに中止されなければならない。

(2)イラクODAはグローバル企業を利するだけの不当な援助である
 今見たように、イラクODAはイラク人の希望をくんで決められた援助ではない。それでは、この援助を望んでいるのは誰なのか? 世界最強の軍隊でさえ抑えられないほど激しい民衆の抵抗闘争がイラク全土で広がり、連日死者まで出ているというのに、おめでたくもこのイラクでビジネスを始めようとしている日本企業がある。彼らこそがイラク「復興」を望んでいるのだ。
 三菱商事は、イラク南部のアル・ガラフ油田の採掘権をめぐってイラクと交渉している。ここは自衛隊が派兵されているサマワから「偶然にも」わずか40マイル東の地点である。自衛隊の派兵地としてなぜここが選ばれたのか、これほどくっきりと解るエピソードもない!
 三菱商事は復興支援と称してイラクに送られたパトカーの落札にもことのほか熱心で、340台、40億円相当のパトカーをイラクに納入している。三菱自動車製だというから欠陥車かもしれない。三菱証券IRコンティング室長の三ツ谷誠は、「公的資金を批判なく企業に還流させる回路として、復興支援は格好の機能を持つものかもしれません」とあけすけに述べている。
 このような例は三菱グループだけにとどまらない。エンジニアリング会社の日揮や商社の双日(日商岩井とニチメンが合併)もイラク利権を狙っている。そこには、劣化ウラン弾の後遺症に苦しむイラク民衆をしり目に、復興ビジネスで利権を漁ろうとするハイエナのような日本企業たちの姿がある。
 今、自動車欠陥隠しが発覚して販売が激減、窮地に追い込まれた三菱自動車の再建策なるものが日本国内では検討されているようだが、こんな企業に支援などする必要がないことは明らかである。

4.イラクODAにおける「公金支出のあり方」の問題

……以下,略,上記URLを参照して下さい。


投稿者 管理者 : 2004年07月07日 00:15

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