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2004年07月17日

東洋大助教授白石真澄氏−戦争の意味を問う、イラク女性の日記(私の本棚)

日経産業新聞(7/16)

 昨年三月のイラク戦争開戦以来、CNNなどは自国軍の被害状況や自分たちがイラク人やイラク復興のためにいかに役立っているかを伝えるが、イラク人の犠牲者や破壊されていくイラクを詳しく報じることはしない。
 「バグダッド・バーニング」(リバーベンド著、アートン)はバグダッド在住の二十四歳のイラク人女性がネット上につづった日記を出版したもので、タイトル通り、混迷を極める占領下のイラクの状況が克明に記されている。翻訳者はネット上のこの日記に心を動かされ、筆者のリバーベンドに魅せられて集まった九人の女性たち。本書は私たちに、イラク人女性の日常のみならず、占領後のイラク人女性たちが決まった服装や行動を強制されてきたかを教え、この戦争の意味を問う。
 筆者は「今回の戦争は好きなように呼んでもらってかまわないけど、私にとっては“占領”でしかない」という。理知的な文章にはイラク人が感じている失望と消耗、ある種のあきらめを伴った怒りと恐れが満ちている。六月末に主権移譲が行われた新政権にイラク人女性の思いが届いているとは思えない。

バグダードバーニング by リバーベンド

投稿者 管理者 : 2004年07月17日 00:14

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