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2004年08月11日

警察、自衛隊のイラク派遣反対運動に対して容赦ない捜索・逮捕!

警察、容赦ない捜索、逮捕 イラク派遣反対抑制狙いか 市民団体「もの言う権利奪う」

北海道新聞(8/08)

 東京都内で今年、イラクへの自衛隊派遣などに反対するビラ配りやデモ、抗議行動に対して警察の摘発が相次いでいる。排除、家宅捜索、逮捕。「ものを言う権利を奪うのか」。予期せぬ事態に巻き込まれた市民や市民団体の衝撃と怒りは大きい。それでも反対運動を続ける。(東京社会部 鄭真)

 「米国の戦いは間違っていると思いませんか」。七月下旬、赤坂の米国大使館から二百メートル離れたビルの前。神奈川県相模原市のブルキッチ加奈子さん(28)が仲間数人とマイクで叫んでいた。周りを警察官が取り囲む。

 夫と大使館前で抗議活動を始めたのは二年前。昨年十二月、赤坂署の事情聴取を受けた。「大使館から出てきた人の顔の前でハンドマイクを使い、怒鳴ったことが暴行容疑にあたる」と言われた。記憶になかった。

 二月、道路工事を理由に大使館から二百メートル先に抗議場所を移すよう警察に求められた。その夜、自宅を家宅捜索された。「マイクはどこだ」と怒鳴る捜査員に下着が入ったタンスまで開けられた。

 工事は終わったが、抗議する人たちは今も大使館に近づけない。大使館へ向かうと数人の警察官が強硬に阻止する。「私たちの権利を奪われる。声は上げていかないと」。退けられた一角で、ブルキッチさんらは今後も抗議を続けるという。

 東京都立川市では二月二十七日、イラク派遣反対を訴えるビラを自衛隊宿舎の郵便受けに入れた市民団体の三人が、住居侵入容疑で逮捕された。ビラ配りは長年続けてきた。宿舎にはピザ店などのチラシも投げ込まれている。起訴後も拘置が続き、初公判後の五月十一日に保釈された。拘置は七十五日に達した。

 「この寄生虫」「立川を歩けなくしてやる」。福祉介助員の高田幸美被告(31)=立川市=は取り調べ中、捜査員から言葉を浴びせられた。取り調べは連日六−八時間、二十日間に及んだ。保釈後、玄関のチャイムや電話が鳴ると怖さを感じた。

 公務員の大洞俊之被告(47)=同=は保釈後、職場の規定で減給処分に。「逮捕は反戦運動を委縮させるのが目的ではないのか」。三人は無罪を主張し、東京地裁八王子支部で公判が続く。

 渋谷区で七月四日、五十一の市民団体が参加し、自衛隊の多国籍軍参加に反対するデモがあった。途中、機動隊員ともみ合いになった三人が公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。主催者によると、逮捕時を撮影した参加者のビデオには、過剰警備に抗議した一人の参加者に、数人の機動隊員が飛びかかり、上半身を裸にしたまま路上を引きずるなどの様子が写っていた。三人は十日後、処分保留で釈放された。

 警視庁広報課は、米大使館前の抗議行動について「スペースの問題で、大使館前では控えるようお願いしている」と説明する。また、立川市での三人逮捕については「公判中」、渋谷区のデモ参加者の逮捕については「釈放は検察の判断」を理由に「お話しする立場にない」としている。

 米国との同盟強化と国際貢献を名目に武装した自衛隊をイラクに送り込んだ日本。その姿勢を貫こうとする政府が海外の反応や国内世論に敏感になっている。日本が岐路に立つ中、反対の意思表明をする側と、これを力で押さえ込もうとする側との対立が、警察と市民とのあつれきという現象に表れているといえそうだ。

投稿者 管理者 : 2004年08月11日 00:09

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