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2004年11月26日

弘前学院大学不当解雇事件、第3回控訴審の結果報告 次回控訴審で学校法人側が元学生を証言台に!

 青森地裁弘前支部において今年3月18日に原告教員勝訴、学校法人側が仙台高裁秋田支部に即日控訴した標記事件について、第3回控訴審が11月22日に行なわれた。

 今回の控訴審では、10月20日付で学校法人が高裁に提出していた「証拠申出書」(元学生を証人として呼び出す申出書)について話し合われ、次回2005年1月12日午後1時半からの審議において、この元学生に対する証人尋問をすることになった。

 学校法人側代理人弁護士は、控訴申立の段階から一貫して、地裁判決において認定されなかった教員の「教員不適格性」とされる事例のいくつかについて異議を唱え、それをもって原告勝訴の判決を不服としている。しかし、地裁判決は原告教員の整理解雇・通常解雇の合理性を否定した上で、解雇決定に至るまでの違法性・注意義務違反との判断をし、解雇権の濫用としたものであり、「教員不適格性」の一部の判断が変わっても、解雇権濫用の認定を覆すものではない。

 元学生を証人として呼び出すことは、そのこと自体がその元学生の人権を大きく侵害する可能性がある。のみならず、控訴人側が解雇権濫用の認定撤回から大きく外れた議論において、元学生を呼び出し、元学生の在学中の事柄について追求するということは、解雇の合理性を明らかにしないままに元学生のプライバシーその他をいたずらに公表してしまう危険性すら孕んでいる。

 学校法人のこれら対応は、本件事件のみならず、卒業生・現学生・これから弘前学院大学に入学しようとする生徒たちに対し、教授会等の学内手続を経ずして経営陣の専断により裁判に引っ張り出すということを明らかにしたも同然である。


(参考)
弘前学院大学不当解雇事件控訴審、学校法人側が元学生を証言台に立たせると申出(2004年11月05日)

投稿者 管理者 : 2004年11月26日 00:44

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