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2004年12月27日

『04高知 年末回顧』(7) 時代の波にもまれる大学  生き残りへ競争激化

高知新聞(12/24)

 「大学淘汰(とうた)の波」が本県にも押し寄せた。平成五年春に開学した土佐女子短期大学が学生数減少による経営悪化を理由に、学生募集停止を五月末の理事会で決定。現在の一年生が卒業する十七年度末以降に廃学となることが決まった。十八歳人口の減少で学生を確保できず、廃学に追い込まれる例が全国で既に出ていたが、同短大も有効な打開策を見いだせぬまま生き残り競争に敗れた。
 その一方で、四月一日、高知大など全国八十九の国立大学が国の直轄から切り離され、国立大学法人として船出した。
 法人化で経営は独立。国の丸抱えだった財政は授業料、入学料、病院収入などの自己収入と、国からの運営費交付金で賄わねばならなくなった。
 本年度、約百五億円だった高知大の交付金は今後、毎年二、三億円程度削減され、財政事情は厳しさを増す。文部科学省は削減予算を優れた教育・研究に重点配分する予算に振り替え、大学間競争をあおっている。
 そんな中、高知大は中期目標・中期計画に地域社会貢献を使命とした「地域の大学」を打ち出した。その計画達成度は毎年評価され、六年間の総合評価を下される。総合評価は次期運営費交付金の算定に反映されるといわれ、大学存亡の命運を握る。
 相良祐輔学長は言う。「受験生全入時代が迫っており、国立大の統廃合は将来必ず行われる」。高知大は限られた時間の中で、「地域の大学」として、産学官の連携などによる具体的な成果を残さなければならない。
 また、県立大も厳しい大学間競争を生き抜く改革を迫られている。
 県は県外の学識経験者ら十一人で構成する県立大学改革検討委員会を組織し、昨年一月から高知女子大と高知短大の将来像を模索。十月には「女子大を共学化し、新たに社会科学系学部を設け、短大を廃止する」などの再編案を県に提言した。
 当事者の高知女子大も独自の改革案をまとめており、今後、短大も含め県と協議し、改革の具体策を煮詰める。県立大の培った伝統と実績を踏まえ、いかに県民の期待に沿い、存在感ある大学をつくるのか。英知を結集した議論が求められる。


投稿者 管理者 : 2004年12月27日 02:25

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