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2005年01月07日

「首都東京・高度専門技術者育成特区」

住民確保へ生活型特区、国際教育・福祉輸送・防災TV…、首都圏、計画相次ぐ

日本経済新聞地方(2005/01/06)

 地域を限定して規制緩和する構造改革特区は第一号の登場から二年近くになる。人口の多い首都圏一都三県の自治体の間では教育、福祉など生活改善につながる特区開設を目指す動きが今年も盛ん。少子高齢化が進む中、各自治体とも特区を活用した住民のつなぎ留め、呼び込みに懸命だ。
 二〇〇三年八月に認定を受け、まず昨年四月から米国人二人を正規教員として採用し、市内の二つの中学校に配属した神奈川県横須賀市の「国際教育特区」。今後は群馬県太田市のように、ほぼすべての授業を英語で行う学校を開設したい考え。パートナーとなる民間企業が見つかり次第、追加の規制緩和(特区認定)を申請する方針だ。
 東京都は新しい特区(規制緩和)のアイデアを募る昨年十―十一月の六次募集で、「首都東京・高度専門技術者育成特区」を提案。高等専門学校の設置、管理を、公立大学法人にもできるようする特区で、実現すれば〇六年四月に都立高等専門学校の管理、運営を都教育委員会から首都大学東京に移管し、十六歳から大学院までの一貫した高度専門技術者教育体系を確立する。……


 今月十八日に三月にも認定を受ける第七次の構造改革特区の申請受付が始まる。ここで東京都練馬区と稲城市は、福祉特区を申請する。
 練馬区の「福祉輸送(セダン型)特区」は、通常は車いす、寝台などに対応した福祉車両にしか認められていない高齢者、障害者を対象にした有料送迎を自家用車でもできるようにする。稲城市は設備、人員配置の規制緩和で小型の特別養護老人ホームの開設が可能になる「サテライト型特別養護老人ホーム特区」の認定を目指す。
 埼玉県草加市は地震や大雨などの災害時に、市が独自の地域情報をVHF帯のテレビ放送を通じて発信できるようにする「地域防災テレビ特区」の開設を目指し、六次募集で提案した。もし関東で大規模災害が起きると、市町村数が多く、従来の放送事業者だけでは支援物資の種類など詳細な各地の情報を被災者に提供し切れない恐れがあるためだ。
 千葉県は入居が低迷する県北西部の千葉ニュータウンの活性化を目指す「千葉ニュータウン民間共創まちづくり特区」を提案した。新住宅市街地開発法の規制を緩和し、一定区画内での土地用途を弾力化。従来は住居専用の区域でもスーパーや映画館、飲食店などの商業施設を誘致できるようにする。
 指定区画内では土地利用者を購入者に限定する規制も緩和し、賃貸事業を目的にした不動産ファンドによる施設開発も認める。指定区画外でも宅地分譲を促進するため、自宅として利用する購入条件を緩和。週末だけの居住や親族の居住にも門戸を開く。
【表】首都圏の自治体が開設を目指す主な構造改革特区    
自治体  特区の概要  手続きの段階
東京都  高等専門学校の設置、管理が公立大学法人にもできる  提案中
同練馬区  高齢者、障害者の有料送迎が自家用車でも可能  申請の方針
同稲城市  設備、人員配置の規制を緩和し、小型の特別養護老人ホームの開設が可能  申請の方針
神奈川県横須賀市  ほぼすべての授業を英語で行う学校が開設可能  申請を検討中
同小田原市  水道法の規制を緩和し、市が手掛ける水道事業の計画作成から施設運営・管理までを民間企業に全面委託できる  提案中
埼玉県  公民館で有料の映画上映会を開ける  提案中
さいたま市  小中学校でコミュニケーション能力向上の授業を実施できる  申請の方針
埼玉県草加市  災害時に市独自の地域情報を、テレビ放送を通じて発信できる  提案中
千葉県  入居が低迷する千葉ニュータウンの各種土地利用に関する規制を緩和  提案中

投稿者 管理者 : 2005年01月07日 00:16

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