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2005年01月11日

「教育ファシズム」を食い止めよう

澤藤統一郎の事務局長日記(2005年01月08日)より

「教育ファシズム」を食い止めよう 

年が明けて初めての「日の丸・君が代、強制予防訴訟」弁護団会議。都立校の現場からの報告に耳を傾ける。よいことはない。

ある教員が全国紙に投書したところ、直ちに教委から校長に通報がなされた。慌てた校長が教員を呼び出して叱責したという。言論の自由に対する強権的な介入が日常化しているのだ。その場では校長・教委の不当を跳ね返しても、これが人事評価の材料になる。昇級にも異動にも差別が付きまとうことになるという。

各校にアドバイザーという名のスパイが配置されつつある。教委直属として、監視の対象は校長の動静をも含むものとされる。その延長上に「校長支援センター構想」があるという。教育現場を権力的な監視対象とする構想である。都立校の周辺には、重苦しい雰囲気が充満している。

これが、人間の無限の可能性を開花すべき教育現場の実態。人類の叡智の到達点としての自由や人権を学ぶべき場に市民的自由は逼塞している。人間の解放を目指す教育現場が監視と猜疑の場となっている。教育が権力のしもべとなる兆しである。

「日の丸・君が代 NO! 通信」という定期刊行物がある。日本キリスト教会館が編集部の連絡先となっている。月刊で、04年12月31日付が既に62号。その編集後記の冒頭に、「東京に『教育ファシズム』の嵐が吹き荒れた2004年がようやく幕を下ろす。…埼玉へ、神奈川へと『教育ファシズム』は飛び火している」とある。

「世界」昨年4月号の特集タイトルが「日の丸・君が代 戒厳令」だった。編集者の感性がそう言わしめる状況なのだ。さらに、「教育ファシズム」とは言い得て妙。けっして誇張でない実態がある。

しかし、「戒厳令」も「ファシズム」も、まだ字義のとおりの事態が完成したわけではない。抵抗することなく、成り行きに任せていたのでは文字どおりのファシズムが完成してしまう。まだ、今なら間に合う。

いま、声を上げなければならない。沈黙はファシズムの完成に手を貸すこと。多くの人が、それぞれ可能な範囲で、ファシズムの進行に抵抗しなければならない。

事態は、けっして悲観面ばかりではない。「日の丸・君が代 NO! 通信」も、「しかしながら、それに対する反撃の闘いも、近年まれに見る盛りあがりようである」と続けている。現場で、組合で、世論喚起で、そして法廷で、教育ファシズムの進行を阻止しよう。


投稿者 管理者 : 2005年01月11日 00:28

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