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2005年02月19日

国民投票法案への対応について

日本民主法律家協会
 ∟●澤藤統一郎の事務局長日記(2005年02月18日)

国民投票法案への対応について
  

法律家5団体の共同行動(日民協・自由法曹団・青法協・国法協・反核法協)についての事務局会議。先日の水島朝穂教授講演会の総括と、憲法問題についての意見交換、そして今後の行動について。

現在の最重要課題が、国民投票法案をめぐる状況にあることに見解が一致。自民党は、同法案を今通常国会に提出する方針を明確にしている。まずは、内部学習会をしようということに。現在の自民党案によって国民投票法が成立すれば、外堀を埋めることの域を遙かに越えて、内堀まで埋めるに等しい。とりわけ、世論喚起の運動を押さえ込もうという邪悪な意図がありありと窺える。こんな「べからず国民投票法」は、主権者に対して無礼極まる。

国民投票法案の主要な問題点を列挙すれば次のとおり。
※個別の問題点ごとに賛否の意思表明ができなくてはならない。
 たとえば、「環境権規定の明文化」と「集団的自衛権の明記」とを一括して投票させることの不当は明らかである。抱き合わせで民意を歪めることは許されない。
※国民投票運動の自由が最大限に保障されなければならない。
 徹底した国民的議論によって主権者意思形成の過程を保障しなければならない。ところが、予想される法案は、言論活動を徹底して規制する「べからず国民投票」である。公務員・教育者・外国人は運動ができない。報道や論評も規制される。違反には、もちろん刑罰が用意されている。
※発議から投票までの期間を十分にとるべきである。
 予想される法案は、「60~90日」である。国民的大議論が必要なのだ。少なくとも、半年間とすべきではないか。

憲法学者の国民主権論からの分析が欲しい。これは小澤隆一教授に依頼しよう。そして、公選法の選挙運動規制批判の専門家の意見を聞きたい。こちらは中央選挙管理委員だった鷲野忠雄弁護士に頼もう。日程は、3月24日(木)午後5時30分から。そして、各党の憲法調査会なり、政審の委員に意見交換会を申し込もう。しっかりとした方針を形成して。

これまで、国民投票法案への対応はかなり微妙な問題として意識されていた。「投票法案が改憲への地ならしである以上は、その法案提出そのものに反対することがスジ」との意見が説得力をもった時期もあった。「内容の吟味に入ってしまえば、半分以上相手の土俵に乗ったことになる。法案の中身について意見をいうこと自体が間違い」という見解はまだ根強い。しかし、事態は急激に動いている。法案の中身について徹底批判をしなければ、本丸での闘いもできなくなる。


投稿者 管理者 : 2005年02月19日 01:01

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