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2005年02月26日

日本能率協会、成果主義に関する調査結果の発表 「従業員からみると、経営トップは成果主義の対象になっていない」

日本能率協会、成果主義に関する調査結果の発表(2005年2月22日)
 ∟●全文

成果主義に関する調査結果の発表

日本能率協会(会長 富坂良雄)は、2004年11月~12月に、わが国主要企業(1,325社)の人事部・部門トップ(コアビジネスを担う部門のトップ)・従業員(コアビジネスを担う部門の従業員)を対象に、「成果主義に関する調査」を実施した。その結果、成果主義の導入が近年指摘されているほど組織風土に悪影響を与えていないことが明らかになった。その一方で、成果主義導入の理念が従業員に浸透しておらず、運用面では人事部の理想と現実には大きな差があるなど定着に向けての課題も浮き彫りになった。

≪調査結果の主なポイント≫

1.成果主義を導入している企業は全体の8割以上、導入の効果は3~4年で表われる
人事部からの回答があった227社のうち、「成果主義的な人事制度を導入している」と回答している企業は83.3%(189社)にのぼり、「導入していない」の14.5%(33社)を大幅に上回った。(⇒図表1-1)

成果主義を導入して1~10年以下の人事部(124社)に対して「成果主義導入のビジネス・業務効率に対する効果」「社員の意欲向上に対する効果」を質問し、導入経過年数別にみたところ、「成果主義導入のビジネス・業務効率に対する効果」は経過4年以上、「社員の意欲向上に対する効果」は経過3年以上で効果がみられるとの回答が得られた。成果主義の定着には少なくとも3年以上の期間が必要と考えられる。(⇒図表1-2、1-3)(注)10年以下の企業は成果主義の導入が本格的に始まった1995年以降の導入企業である

2.人事部・部門トップは成果主義導入の効果を認めているが、従業員の認識は低い
成果主義を導入して3~10年以下の企業の人事部・部門トップ(各89社、従業員3,565人)は、成果主義を導入したことによって「ビジネスの競争力や業務効率に役立っている」「社員の意欲向上につながっている」とする回答が全体の半数を占め、「効果なし」という回答はほとんどみられなかった。

一方、従業員は「効果あり」とする回答は2割強にとどまり、「効果なし」という回答が「効果あり」を上回る結果となった。人事部・部門トップの認識と従業員の認識にはギャップがみられる。(注)分析対象とした従業員の役職比率は管理職42.5%、非管理職57.1%、無回答0.4%である)(⇒図表2-1、図表2-2)

3.成果主義導入による長期的なチャレンジ、職場の協力的雰囲気、評価結果の納得性へのマイナス影響はみられない
成果主義を導入して3~10年以下の企業と成果主義を導入していない企業(28社)の従業員の認識を比較したところ、成果主義を導入している企業の方が長期的な課題へのチャレンジ(⇒図表3-1)、職場の協力的な雰囲気(⇒図表3-2)、評価結果の納得性(⇒図表3-3)に対する評価が高い。成果主義導入による長期的なチャレンジ、職場の協力的な雰囲気、評価結果の納得性へのマイナス影響は確認できなかった。

4.従業員に成果主義導入の目的は理解されていない
成果主義を導入して3~10年以下の企業の人事部において、成果主義導入の目的が全社員に浸透していると判断している割合は、4割弱にとどまっている。また、従業員においては目的を理解している割合は3割弱とさらに低い。企業の目的と成果主義の関連を十分に浸透させる努力が求められる。(⇒図表4)

5.人事部も成果主義的人事制度の運用で、理想と現実のギャップに悩む
成果主義を導入して3~10年以下の企業の人事部においても、「適材適所の配置」、「評価に温情的な考慮を入れない」や「降格人事の実施」など、人事制度の運用に関して理想と現実の乖離に悩んでいる様子がうかがえる。(⇒図表5)

6.従業員からみると、経営トップは成果主義の対象になっていない
成果主義を導入して3~10年以下の企業の従業員の中で、「経営トップでも成果主義が実施されている」と回答しているのは2割弱であり、人事部や部門トップの認識と異なる。従業員は成果主義は従業員だけに導入されており、組織全体で導入されていないという認識を持っている。(⇒図表6)


投稿者 管理者 : 2005年02月26日 01:24

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