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2005年04月01日

「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン、「広島県教委による不起立教職員への不当処分に抗議する!」

「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン
 ∟●広島県教委による不起立教職員への不当処分に抗議する! 不起立生徒の人数調査を辞めよ!(2005.3.31)

広島県教委による不起立教職員への不当処分に抗議する!
 不起立生徒の人数調査を辞めよ!

 広島県教育委員会は3月30日、今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったことを理由に、6人の教職員を戒告の懲戒処分にし、5人を文書訓告としました。私たちは、広島県教委の不当処分に対して、強く抗議し、処分の撤回を求めます。

 広島県教委は、2001年3月から、東京都教委の大量処分に先駆けて不起立の教職員に対して処分を強行してきました。不起立者に対しては、「反省文」を含む「顛末書」の提出を要求し、校長に対しては、日々の徹底した教職員管理を迫りました。連続して不起立の場合は、文書訓告から懲戒処分へと処分を重くしました。県教委に従わない教職員を徹底して弾圧し、「思想改造」を迫ったのです。
 教職員への「日の丸・君が代」攻撃は、子どもたちの強制へとエスカレートしています。広島県教委は、今年の卒業式で不起立教員の処分だけでなく、不起立の生徒の人数を公表しました。それは、自分の「思想良心の自由」に従った生徒の行為を問題視することであり、不起立の生徒への人権侵害そのものです。

 広島県教委は、毎年、「校長手持ち資料」(教職員処分校長用マニュアル)を各市教委を通じて校長に配布し、不起立の教職員への対応を事細かに指示しています。「校長は『国歌斉唱』の号令で教職員が起立したかどうか、だれがどの位置で起立していないか確認する」「(国歌斉唱時に不起立の職員がいた場合、)校長がその場に駆け寄るなどして、『起立してください』と周囲の者にも聞こえる程度の声で発言する」「不起立の教職員は、校長が式終了後、速やかに校長室に呼ぶなどして、『本日〇時〇分、国家斉唱時に不起立行為をしましたね』と任意に答えるよう求め、市町教委を通じ、教育事務所に報告する」等々。従わない教職員を監視し、処分するために、校長をロボットのように動かしているのです。
 
 「日の丸・君が代」強制がもたらすものは何か。広島の学校現場の状況が如実に物語っています。教育委員会は校長をロボット化し、校長は教職員を絶対的な支配化に置き、教育行政による学校支配を完成していきました。市場主義と競争原理の導入、道徳教育と「心のノート」の推進など、教育基本法「改正」推進派のめざす教育が、学校にストレートに持ち込まれ、子どもたちのための教育が国家のための教育に転換されようとしています。教職員の自主的な取り組みはつぶされ、学級運営や教育内容の全てに渡って、校長への報告、連絡、相談を義務付けられました。広島で先進的に取り組まれてきた反戦平和教育も「授業時数が足りない」と攻撃にさらされています。多くの学校で、職員会議は学期に一度となり、教職員の意見は、学校運営に反映されなくなりました。私たちは、「日の丸・君が代」強制を突破口にして進められている県教委の教育政策そのものに反対です。

 「権力で強制される状況になったことが腹立たしい。反論できれば、仕事のクビをかければ……。でも、生活を考えると、そうはできなかった。」と苦渋の選択を迫られた教職員もいます。「日の丸・君が代」強制反対して不起立を貫くこと、そのことを通じて子どもたちに思想良心の自由があることを伝えることは、広島では文字通り職をかけた闘いとなっています。
 私たちは、孤立しながらも闘い続ける広島の人々と連帯し、不起立教職員への不当な処分にともに抗議していきたいと思います。不起立生徒の人数調査を辞めるように、強く要求していきたいと思います。

「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン
2005.3.31

投稿者 管理者 : 2005年04月01日 01:52

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