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2005年04月05日

派兵差止訴訟全国弁護団有志による「アンマン訪問団」、帰国直後の概要報告

名古屋の原告の池住義憲です。

 3月25日~4月1日の8日間、「自衛隊イラク派兵差止訴訟」全国弁護団有志7名に同行して私もヨルダンのアンマンに行ってきました。

 私にとっては、予測した以上に意味のある、また成果のあった調査訪問の旅でした。生死をかけた平和のための「闘い」をしているイラク、ヨルダン、パレスチナの人たちの真剣な語りに、私は衝撃を受けました。いままで私が「取り組んで」いた平和運動は理念的、観念的で薄っぺらいものであることを省みる機会でした。

 3月29日夜のパレスチナの人たちとの語らいの中で、「ヨルダンの民主主義の度合いは60パーセント。一方、日本は選挙制度や集会・結社・表現の自由など進んだ民主主義の国なのに、なぜ米国に追従・加担する人たち(議員)を選ぶのですか?」との問いかけがありました。私が通訳をしていて心を動かされた瞬間の一つです。

 正味5日間のアンマン滞在中に聞き取りした詳細内容は早急にとりまとめる予定です。なるべく早い時期に報告できるよう分担を決め、早速作業にはいりました。もうしばらくお待ちください。以下は、概要だけですが、取り急ぎ報告します。


派兵差止訴訟全国弁護団有志による「アンマン訪問団」
帰国直後の概要報告

2005年4月2日(土)
池住義憲(原告 名古屋)

<訪問団の背景と目的>

 自衛隊イラク派兵差止めとその違憲確認等を求めて昨年(2004年)1月下旬、札幌を皮切りに起こした「自衛隊イラク派兵差止訴訟」ですが、その後、名古屋、東京、大阪、静岡、山梨、仙台、栃木、岡山、熊本、京都と続き、全国11地域で12の訴訟にまで拡大されています。原告数は合わせて約5,400名、弁護団も800名を超えています。

 今回の弁護団有志によるヨルダン・アンマン訪問は、この訴訟を進める上で必要且つ重要な情報、証拠、証言、事実を入手・把握することでした。具体的には、第一に、イラクで起こっていることとそこで米英軍が行っている行為の実態。これは、米英の行為が国際法違反の侵略行為であることを実証、裏づけるためのものです。第二には、派兵されている自衛隊の活動実態および自衛隊が地元の人たちにどのように見られているかを把握すること。これは、自衛隊が米英中心の占領軍の一部・一体であることを実証、裏付けるためのものです。

<期間・訪問者>
期間:2005年3月25日(金)~4月1日(金) 8日間
訪問者:1)川口 創(弁護士、名古屋)
    2)魚住昭三(弁護士、名古屋)
    3)佐藤博文(弁護士、札幌)
    4)小笠原忠彦(弁護士、山梨)
    5)辻 公雄(弁護士、大阪)
    6)上山 勤(弁護士、大阪)
    7)亀田成春(弁護士、札幌)
    8)池住義憲(原告、名古屋)
    以上8名(弁護士7名、原告1名)

<調査内容と主要訪問先>
1.ファルージャ情勢関係
 a)Z.A氏(3月27日面談。現在はアンマン在住のイラク人男性。総合ビジネスグループの会長で、イラク中西部ファルージャの大きな部族の長)
 b)A.F氏(3月27日面談。現在はアンマン在住のイラク人男性。上記総合ビジネスグループ関係者)
 c)K氏(3月27日面談。現在はアンマン在住のイラク人男性。バグダッド警察官の経験を持つ)
2.サマワ情勢関係
 a)N.S氏(3月28日面談。フセイン政権下、サマワで教員していたイラク人女性で、現在はイラク・バグダッド在住)
 b)A.H氏(3月27、28、29日面談。現在はアンマン在住のイラク人男性。イラクのためのNGO活動にも従事。今回訪問団のアラビヤ語・英語の通訳)
3.イラク全般情勢関係
 a)サフヤン・テル氏(3月30日面談。ヨルダン人男性。環境計画国際センター所長。特に劣化ウラン弾被害調査分析に従事)
 b)ハニ・ダヘレ氏(3月29、31日面談。ヨルダン人男性。ヨルダン紛争仲裁協会会長。弁護士。イラクの人権侵害状況調査・分析に従事)
4.イラクへのNGO活動状況
 a)H.B氏(3月27日面談。日本人男性。イラクへの人道活動を行う日本のNGO関係者)
5.アラブ全般情勢関係
 a)バハガット・アブグラビィーア氏(3月29、30日面談。パレスチナ人男性。89歳。1964年PLO設立以後今日までパレスチナ解放に取り組む。30日には自叙伝書籍出版祝いの会がアンマン市内で開催され、訪問団も招かれた)
 b)バサム・アルシャカ氏(3月29日面談。パレスチナ人男性。パレスチナ・ヨルダン川西岸地区の元市長)
 c)アブドゥラ・ハモデール氏(3月29日面談。ヨルダン人男性。著作家)
 d)アベド・アルライム・ムラウス氏(3月29日面談。ヨルダン人男性。ヨルダン保健大臣)
6.その他
 a)ジアード・ハサウネ氏(3月27日面談。ヨルダン人男性。アラブ法律家協会副会長、サダム・フセイン国際弁護団弁護士)

 この他にも会った人は多数いますが、主要な方々のみに留めました。今回、それぞれ聞き取り内容は、早急に訴訟に証書として提出する文書ならびに重要参考資料としてそれぞれの内容をまとめる予定。また、2003年12月以降のイラク情勢を書きまとめた貴重な資料数点も早急に翻訳する予定です。

<今後の重要な関連日程>
4月10日(日)12:30~13:00 名古屋にて共同記者会見
                    (於・名古屋YWCA)
        13:30~16:00 イラク調査団報告会(於・名古屋YWCA)
4月14日(木) 9:00~13:00 衆参国会議員会館訪問し、与党政党党首を中心に面談して調査内容報告ならびに訴訟を進める上で必要な要請行動を予定。(訪問団メンバー3~4名ほどで。状況によっては13日から訪問も検討)
4月16日(土)~17日(日) 第3回訴訟弁護団全国連絡会議で報告・共有

 *調査団の報告は、この他に札幌や大阪でも計画されると聞いています。
以上


投稿者 管理者 : 2005年04月05日 00:00

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