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2005年04月04日

守山市立女子高の立命館移管 生徒や教員ら、どう納得

大阪読売新聞(2005/04/04)

 《インサイド滋賀》
 守山市立守山女子高校の運営を学校法人・立命館(京都市)に移管する交渉が同市と立命館との間で進められている。4月中の正式合意を目指す山田亘宏市長は「『官から民へ』という流れの中で、社会の変化を先取りしたもの」と語るが、肝心の教諭や生徒、保護者らへの説明は3日に始まったばかり。移管実現までには、まだまだ解決していかなければならない課題は多い。(草津通信部 松本航介)

 ◆学科、授業料、処遇は 市の動きに不満の声
 同校は1959年、当時の高等裁縫女学校を守山町立女子高校として開校。住民が敷地を寄付するなど唯一の地元高校として親しまれ、多くの市民が通った。しかし、少子化の影響などで徐々に生徒の数が減り、定員割れも出ていた。
 加えて、建物も老朽化。市が運営費として毎年約4億円を支出しているうえ、大規模補修には10~20億円が必要という。市は「市立高校としての役割は十分に果たしてくれた。財政も厳しく、学校運営の抜本的な見直しが必要な時期に来ていた」と説明する。
 こうした経緯から、交渉の中で市は「学校を引き継いでもらう」ことを最重要視。女子高が消滅すると、学籍簿も同窓会も引き継がれなくなるため、市は開設者を替えるだけの〈移管〉という方法をとることにした。
 ただ、公立から私立に変わり、新たに普通科が置かれることで、学科や授業料など様々な問題が生じる可能性はある。市は「現在の生徒たちが卒業するまで今ある学科や授業料は保証する。生徒たちの不利にならないように進めたい」としているが、生徒らに直接かかわってくる問題だけに不安は大きい。
 同校の教員計40人の処遇も大きな問題として残る。市は「原則として立命館側が新しい人材を用意するということになるだろうが、より多くの教諭が学校に残ってくれることを望んでいる」としているが、結論は出ていない。
 一方で市には、すでに大阪府高槻市のキャンパスに統合され、“空き家”になっている平安女学院大びわ湖守山キャンパス(守山市三宅町)の問題とリンクさせる考えもある。同キャンパスを新校舎として活用する案で、両問題が一挙に解決する可能性もある。
 ただ、現時点では、生徒や保護者、教職員たちの理解が何も得られていない。同校職員の中には「あまりに唐突だ」、「なぜもっと早くに説明してくれなかったのか」とする声もあるという。
 市は3日午後、保護者や生徒を対象に説明会を非公開で開催。出席者220人からは「もっと早く知っていたら受験しなかった」(新1年生)、「守山女子だから入学したのに、立命館の生徒として卒業しなければならない。私たちの気持ちを考えてほしい」(生徒)、「当事者を無視している」(保護者)など厳しい意見が出された。4日午前には教職員向けの説明会も開くが、理解が得られるかどうかは不透明だ。
 山田市長は「私の政治生命をかけて選んだ方法。公立高校を民間の学校法人にお願いするという前例のないことをやろうしている。歴史と伝統ある女子校をより発展的に継承してもらう。市民に理解を求めたい」と話している。
 守山市立守山女子高校 生徒数約570人。情報ビジネス科、生活総合科、英語科の3学科。開学から2003年度までの同窓会員は計1万1050人。移管交渉がまとまれば、2006年4月から「立命館守山高校」となる見通し。


投稿者 管理者 : 2005年04月04日 01:39

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