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2005年04月13日

山形大学職員組合、「退職強要によって書かされた辞職願の破棄について」

山形大学職員組合
 ∟●退職強要によって書かされた辞職願の破棄について(2005/04/12)

医学部組合員教員への退職強要事件について(2005年3月7日)
医学部退職強要問題Part2 今回も組合の要求により決着(3月11日)

辞職願いの破棄について (4月12日)

山形大学職員組合書記長 品川敦紀

本学医学部における退職強要事件に関連して、強要によって提出された本人自筆押印の辞職願がシュレッダーで破棄されたことをご紹介いたしました。

この件について、4月11日N理事から、本人に断りなく辞職願を破棄したことが違法であるかのごとき指摘が教育研究評議員でもある組合員に伝えられました。

この辞職願の破棄の適法性を云々する前に、そういった違法な退職強要を許した大学執行部の一員として、N理事はどのような反省、総括をされているのか、明らかにされるべきではないでしょうか?

事実関係を申し上げますと、

医学部へ出向き、事務部長から事実関係についてご説明を受けた後、私から、辞職願を本人に返却するのが筋であると申し上げましたが、事務部長としては、疑いをかけられるのは不本意なのでこの場で破棄したいというご返事でした。

私としては、元々、違法な退職強要によって書かせた辞職願ですので、退職強要をした当事者が非を認めて、その辞職願を破棄し、その旨本人に通知するという措置で何ら問題ないと考え、破棄の現場に立ち会った次第です。

事実、破棄した辞職願を書かれたご本人から、その後、苦情は一切寄せられておりません。

さて、今回の辞職願の破棄についての適法性ですが、N理事が問題としている法的根拠は不明ですが、N理事が誤解をされている可能性があるのは、刑法第二百五十九条(私用文書等毀棄)「権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の懲役に処する。」もしくは、刑法第二百六十一条(器物損壊等)「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」かもしれません。

しかし、これは、両条項の文言をみれば、該当しないことが一目瞭然です。

まず、私用文書等毀棄の罪ですが、「権利、義務に関する他人の文書を毀棄」したときに問われる罪で、今回破棄した辞職願は、それを書かされた教員の「権利、義務に関する文書」ではなく、「労働契約の解除の申し出の文書」にすぎません。したがって、犯罪を構成しません。

次に器物損壊等の罪ですが、辞職願は医学部長に提出されたものですから、提出された時点で、所有権が医学部長に移ったものと見なせます。従いまして、その辞職願を大切に保管するか、破棄するかは医学部長(代理の医学部事務部長)に委ねられていることになります。故に、この場合も、犯罪を構成しません。

さらに、これら私用文書等毀棄、器物損壊等の罪は、仮に犯罪を構成するとしても、刑法第二百六十四条によって親告罪であることが規定されていますので、告訴がなされなければ、罪は問われません。上述のように、辞職願をお出しになったご本人から、何らの苦情も参っておりません。

以上のように、どこから見ても、今回の退職強要によって出された辞職願の破棄が、犯罪になることなどありえません。

本HP掲載の内容が意に添わないことで、脅しによって削除させようとしたとも受け取れるN理事の今回の言動は、自らの無反省ぶりをさらけ出す「恥の上塗り」行為でしかないことを指摘いたします。


投稿者 管理者 : 2005年04月13日 00:39

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