個別エントリー別

« 「つくる会」・扶桑社 などの法令違反を公正取引委員会へ告発しましょう! | メイン | 神戸大学行動計画に対する要望書 »

2005年06月06日

姫路獨協大学、薬学部新設めぐり混乱 凍結表明に揺れるキャンパス

現職推薦破り大塚教授に 姫路独協大学長選挙

神戸新聞(6/04 )

 姫路独協大学(姫路市)で5月、学長選挙が行われ、法学部長の大塚健洋教授(46)が歴代最年少で次期学長に選ばれた。大塚教授は、同大が2007年度をめどに新設方針を打ち出している薬学部について、財政難などを理由に開設凍結を訴え、現学長の推薦候補を破った。少子化による志願者減を受け、法科大学院や理系学部の新設などを進めている同大だが、大塚教授は「既存学部の再生が先決」と拡大路線の転換を図る方針を表明しており、薬学部の開設延期問題が浮上しそうだ。(姫路支社 佐々木道哉)

薬学部新設めぐり混乱/凍結表明に揺れるキャンパス

 同大は一九八七年四月、姫路市との全国初の「公私協力方式」により開学。市から建設用地の無償提供と五十億円の出資を受けた。同大を運営する獨協学園の理事に、同市の米田洋助役が就任している。

 昨年、同大は初の理系学部として、〇六年度に医療保健学部を新設、〇七年度をめどに薬学部の新設準備を進める方針を決めた。校舎建設と駐車場用地として、大学に隣接する市有地約四・一ヘクタールを約三億千四百万円で既に買収している。

 設置構想では、医療保健学部(四年制)は理学療法▽作業療法▽言語聴覚療法▽医療こども▽臨床工学―の五学科からなり、高度な専門技術者の養成を目指す。六月中にも国に設置許可を申請する見通し。

 理系学部のほかにも、〇四年度は法科大学院を開校、本年度は外国語学部に新たにスペイン語学科と韓国語学科を設けた。

 背景には、少子化による志願者減がある。既存の法学部、経済情報学部、外国語学部の入学者は今春、過去最大規模の計二百人弱の定員割れに陥った。定員割れによる減収は年間約二億円に上るといい、事態は深刻だ。

   ■  ■

 厳しい状況に、学内では教職員の間から経費のかかる薬学部の開設反対を求める声が続出し、次期学長選の最大の争点に浮上した。

 そんな中、今年三月には同大職員が約一億円を着服していた不祥事が発覚。当初、事実を公表していなかった大学側に対し、法学部教授会が現学長らの責任の明確化とコンプライアンス(法令順守)の確立などを求める意見表明をし、現体制への批判を強めていた。

 五月九日に行われた学長選には、法学部の教授らが擁立した大塚教授のほか、薬学部長予定者で、現学長が推す候補者ら三人が立候補。決選投票の結果、大塚教授が多数の支持を得て、後日開かれた理事会で、次期学長への就任が決まった。

 大塚教授は当選後、「ハコモノを作るのではなく、既存学部の充実に力を入れ、学生をきちんと育てる大学にしたい」と述べ、当面は薬学部開設を凍結する方針を示した。開設時期については「収益が好転してから着手すべき」としている。

 正式には、学長に就任する八月以降に学内の評議会に諮ることになるが、従来の路線を大きく転換することへの反発も予想される。

 一連の混乱について、姫路市企画総務課は「大学経営に関することで、市としては状況を見守るしかない」としている。


投稿者 管理者 : 2005年06月06日 00:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi311/mt/mt-tb.cgi/1409

コメント