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2005年06月10日

立命館大学の高校取得の経緯は闇の中の出来事、「市民の財産32億円と守山市立守山女子高校の無償譲渡に関する要望書」

市民の財産32億円と守山市立守山女子高校の無償譲渡に関する-要望書

 平安女学院大学の閉校に伴う「跡地と施設など32億円の市民の財産の返還」についての契約不履行・財産保全の訴訟の進展を見守っていた矢先、3月末突然、平安女学院に対する訴訟を取りやめて、跡地を含めた約32億円と守山市立守山女子高校(以下、「守女」と称す)を学校法人立命館(以下「立命館」と称す)に無償で譲渡すると、朝日新聞が報じました。この間の経緯は市民も市議会も全く知らず、闇の中の出来事になっています。

 およそ「公の財産」の処理をめぐってこんなに不明で不可解な決定過程と決定事項は、民主主義の日本、住人主人公の地方自治体の世の中で、想像の域を超えた不正なものと弾ざるを得ません。

 また、守女は、守山市と市民が一体になってこれまで育て、改革をし、時代を読み取って先駆的な教育活動を展開してきていますし、とりわけ国際社会の中で守山市が独自の市民外交を展開していくことと守女の教育改革や教育活動方針は一体的なものになっています。この守女を断固として守り抜いていくことが市の方針でありましたし、議会でも当局の答弁で財政困難な中でも守り抜いていく旨を言明されています。そのうえ、守女は、教育の守山の歴史であり、今も守山市の教育活動の象徴であります。

 その守女の生徒と父母、教師は、事態変動の被害をまともに受ける当事者であり、守山市は自らの「教育保障義務」を放棄することなのに、生徒、父母、教師の話し合いは不誠実なものであって、「政治生命をかける」という言葉で市長の「決断」を一方的に押しつけるものでしかありました。生徒たちが思い余って市長や市議会議員に直接要望書を届けたり、街頭でビラをまいて市民に願いを訴えたりしても、父母がこどもの願いを聞き届けることなどを訴えても、「当事者と誠意を以て向き合う」ということをしていません。教師たちと直接対話することも、守女の教育実践を現場から学ぶ事もありません。こうした一連の市長の態度は、生徒の教育の権利をきわめて軽んじたもの、こどもの発達を願う父母の願いの重さに思いをいたしていない、すぐれた独自の教育実践をしてきた教師たちの教育活動と一人一人の教師のことを視界から外している、というものでしかないと思わざるを得ません。

 さらにもう一点、立命館に関して気になる情報が色々と入ってきています。大分別府市に設立開校した「立命館アジア太平洋大学」の誘致と、県及び市の財産の多大な提供をめぐる一連の動き、立命館の事業拡大と自治体首長との癒着を思わせるような不可解な「事態の急展開」と公立の大学や高校不自然な「その後の展開」など、学校法人とはとても思えないような情報がいっぱいです。そうした情報の真否を確かめないままに「公の財産の一方的な譲渡」などとても容認できるものではありません。
 以上指摘したような不自然さ、不可解さ、決定過程の闇と拙速な決定や決定される事柄とその財の大きさと貴重さなどを踏まえるとき、発表後の急展開、市議会の大多数の市会議員の動向と「決議」案の提案と採決などの一連の動きは、不自然さと不可解さをさらに増幅しています。どうして市民をの含めた審議や議論をしないのか、いやむしろそんな審議や論議をできるだけ消して、できるだけ早く、市長と市議会が一体になって処理をしようという思惑だけが透けて見え、ますます不自然さを抱かざるを得ません。

 以上を踏まえて、次のことを要望します。
1 32億円の市民の財産と守女の無償譲渡について
  慎重に、時間をかけて、
  必要な審議会や特別委員会を設けて、
  公開された議論と情報の公開の保障過程を講じて
  (市民の自由な傍聴と意見具申の手立て)
  広く市民参加の中で議論を出すようにすること。
  以上を踏まえて、市長は、当事者、市民市議会に対処すること。
  (疑惑のない、公明正大な手続きを踏まえて決定する立場を堅持する。)

2 市議会は上記の慎重で時間をかけた議論という立場にたって、市議会での議論を公開し、必要な調査を行い、市民が納得できる議論(決定過程)を市民の自由な傍聴のもとで行うこと。
  そのためにも、先に可決した「決議」を撤回する手続きをとること。
  市会議員は一人一人、事態を自らの調査も含めて受け止め、自らの言葉で市民に説明し、市民に責任を負うこと。平安女学院誘致に際して採った市議会での不十分な調査と議論を反省的に受けとめなければならない。(同じ過ちをしてはならなりません。)

3 守女の生徒や父母、教師たちと時間をかけて話し合い、生徒と父母の思いの重さを受けとめること。
  (これが一番の心のケア)
  教師と、守女の教育実践を軸にした話し合いの場を設けること。
  教育委員会と守女関係者(「考える会」も含む)との意見交換の場を設けること。
  守山の教育史、守女の教育の変換と改革などを再確認する中で、守女の現状と課題を明らかにする「審議会」を設け、教育関係者を軸に市民も参加して慎重に論議し調査すること(審議や調査内容は全て公開)。

4 立命館の事業拡大や自治体への進出について、市当局と市議会は必要な調査を、調査機関を設置して行い、その情報は全て公開とすること。
  (市民参加の立場からは、「考える会」は独自の調査を実施して、その整合性照合する。)
  立命館系列の高校の授業料や教師の身分な状況、教育環境などを、守女と対比して公表すること。

5 守女の財政負担や32億円の市民の財産と関連して、市の財政事情、新幹線栗東新駅への補助金、および「三位一体の自治体の財政改革」についての市長の立場と意見表明を求めます。また、守女運営についての助成の手立てを国や県に要望されたのであればその全容(国、県の回答を含めて)を明らかにしてください。

 以上のことを十分にご検討のうえ、慎重に、時間をかけて、手続き的な公正さと民主主義を踏まえた「決定過程」を市民の前で進めていくことを切に要望いたします。

2005年6月 日

守山市長
山田 亘宏

市の財産(守女)を考える会
代表 西村登志男
(守山市)

[同ニュース]
市立守山女子高の移管問題:反対の2団体、不認可求め県に要望書 /滋賀(毎日新聞6/07)

投稿者 管理者 : 2005年06月10日 01:48

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