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2005年07月28日

平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟控訴審、第1回口頭弁論 判決は9月28日

平安女学院大学 守山キャンパスの存続を守ろうの会
 ∟●裁判
  ∟●裁判日記(7月27日 控訴審第1回弁論
(大阪高裁に提出された書面=控訴人側)
「控訴理由書」
●「陳述書」3本(うち1つをHP掲載
●「意見書」2本

7月27日 控訴審第1回弁論

 大阪高等裁判所(大和陽一郎裁判長)にて控訴審の第1回弁論が行われました。私側は控訴理由書、陳述書3本(うち1つの陳述書)、意見書2本を、学院側は答弁書1本を提出しました。控訴審の弁論は本日を持って終結しました。次回、判決期日は9月28日(水)13時10分からです。是非、傍聴をお願い申し上げます。
就学権確認訴訟の控訴審について

平成17年7月27日

報道関係者 各位

就学権確認訴訟の控訴審について

平安女学院大学4年生
川戸 佳代(控訴人)

 本日、大阪高等裁判所(大和陽一郎裁判長)にて控訴審の第1回口頭弁論が行われ、終結しましたことをご報告申し上げます。なお、判決は、9月28日(水)13時10分から言い渡されます。

<控訴の意義>
 私は、平安女学院大学の社会的責任を問うためにこの訴訟を提起しました。平安女学院大学は滋賀県および守山市から巨額な補助金を受けて守山キャンパスを設置しておきながら、わずか5年で高槻キャンパスへの移転・統合を決定しました。私の弁護士も指摘するように、これはいわば「補助金の食い逃げ」です。学院側は関係自治体への了承を取り付けることもなく、また学生への十分な事前説明と納得を得る努力をしないままに一方的に統合を決定し強行しました。こうして行われた学院側からの就学権の侵害に対して,私は教育機関としての学院の社会的責任を追求したいと思います。

<就学権確認訴訟の公共性>
 私立大学の中には補助金によってバブル時に設置されたキャンパスの統廃合が起きています。第2次大学新設ブームと言われる1996年から2002年までに開学した80校が平安女学院と同じように、自治体から補助金を受け地域振興の名の下に設置されているようです(『大学激動 転機の高等教育』朝日新聞社出版、2003年)。このようななかで守られなければならないのは学生の就学権です。平安女学院大学のように、教育を商品化し、ビジネスのごとく振る舞う大学が今後も出てくることでしょう。このような大学は、短期的に「採算が合わない」と判断したら、学生の意向など無視してどんなことでも行うかもしれません。そうした場合、学生の学ぶ権利や就学条件はどこまで守られるのでしょうか。在学契約の趣旨はどこまで保障されるのでしょうか。これが私の訴訟における問いかけです。就学権確認訴訟の判決は、私立大学全体に関わってくることでしょう。

<自治体から補助金を受け設置された大学に見る学生の就学状況>
①石川県の七尾市が約10億円の補助金を投じて設置された七尾短大は、募集停止を余儀なくされましたが、2003年の春に最後の在学生を同大キャンパスからしっかりと送り出しています。

②北見市が約25億円を投じて1977年に設置された北海学園北見大学は、自治体の了承を取り付けたうえで、2006年3月末をもって北海学園北見大学を北見キャンパスから撤退させ、同年4月より札幌市内のキャンパスに移転させることを決めました。入学前に移転を知らされなかった学生は、北見キャンパスで卒業まで就学することになっています。

③山口県と萩市が40億円の補助金を投じ1999年に開学した萩国際大学は、民事再生を申請しました。安部一成理事長は、「責任持って卒業まで面倒を見ることが社会的責任」、「学生や保護者には申し訳ない。学生が卒業するまではきちっと面倒をみる」と述べました。さらに、中山文部科学相は会見で「教育的な観点に立った再生計画がなされるものと期待しております」と述べています。

<経営破綻した立志館大学に見る学生の就学状況>
 私立大学として初めて経営破綻した(2003年)立志館大学の場合、在学生のうち希望する学生は近隣の呉大学に転学することができました。文部科学省高等教育局私学部長は、衆議院文部科学委員会(第156回国会第1号 平成15年2月25日)において、 「・・・一つには、学生本人の同意が得られた場合には在学生をこの呉大学へ転学させること、二つには、卒業まで現在の立志舘大学のキャンパスで授業を実施すること、三つには、転学にかかる入学金、委員御指摘の入学金の件でございますが、免除するということなどを前提に、すなわち在学生の負担が少しでも軽減されるような配慮を」と答弁しています。

 学院側には、このような入学前に学生に示した学びの条件を保障することを前提とした経営改善計画が求められるべきであると思います。

 文部科学省が転学支援プログラムを昨年3月に発表しましたが、学生の就学条件を他大学の異なる学部で保障することは大変難しいことです。また、近隣に転学先がない大学も多くあります。転学支援だけでなく、学生が入学したキャンパスで引き続き就学できるための支援策が検討されるべきであると私は考えます。

 この裁判において、キャンパスで「学ぶ権利」が認められなければ学生は救済されないことになり、今後、教育現場に大きな打撃を与えることになります。

<今後の活動について>
 全国の大学関係者の間で私を支援する動きが広がってきており、近く会が発足する見通しです。

今回の裁判についての詳しい情報は、次のホームページをご覧下さい。

「平安女学院大学守山キャンパスの存続を守ろうの会」
http://www.geocities.jp/ncgqg099/index.html


投稿者 管理者 : 2005年07月28日 01:22

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