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2005年07月04日

平安女学院大学びわ湖守山キャンパス統合問題に関する守山市議会の審議経過

平安女学院大学 守山キャンパスの存続を守ろうの会
 ∟●びわ湖守山キャンパス統合問題に関する守山市議会の審議経過(トップページより)

 上記「守山市議会の審議経過」では,平安女学院大学びわ湖守山キャンパス移転・統合問題について,2004年度守山市議会でいかなる議論がされたのか,その全ての記録が掲載されている。 
 平安女学院大学が守山キャンパスを廃止し,高槻キャンパスへ移転・統合を決定するにあたり,約25億6,500万円の補助金を出した守山市(8億円の補助金を出した県)に対して,同大学理事会は事前の説明もなく,また統合決定後半年を経た9月末段階でも最低の大学財務資料を提出したり,市の側と協議のテーブルに着くことがなかったことがわかる。さらに,統合が実施される3ヶ月前の段階に至っても,市側が納得する説明内容はなかったようだ。
 また同様に,同理事会はキャンパスで学ぶ学生に対して,事前説明はおろか,理解を得るための話し合いの場も十分に持たなかった。その結果生じた学生の学ぶ権利への侵害(就学権の侵害)問題が,守山市議会において,いずれの会派の議員からも問題にされている。

平安女学院大学びわ湖守山キャンパス統合問題に関する守山市議会の審議経過

(以下,一部抜粋)

平成16年第3回守山市議会定例会会議録(第2日)
2004年9月24日

■本城政良議員 (質問)
……開学からわずか5年目のこの4月に、本市に事前の説明もないままに、来年度に高槻キャンパスに統合するということが決定され、通知されたということについて、今日まで進めてきた大学を核としたまちづくりを期待してきた市民や行政、議会に対しての説明責任を果たしてほしかったという思いがあり、遺憾に思っております。

…… 高槻への統合によって一番迷惑をしているのは当の学生さんであります。聞き及ぶところでは、守山キャンパスの存続を求め署名活動をしていることや、一部の学生は議員に同行して文部科学省へ行っているとの報道もありましたが、このことで大学側が態度を硬化しているとも聞き及びます。こうした学生の存続を求める気持ちは、学生にとっては当然と思います。……このような中で、市長はこの学生の思いに対してどうお考えでしょうか、お伺い申し上げます。
▲市長 (答弁)
…… 次に、存続を求めます学生の思いに対してでございますが、平安女学院大学の問題は、法人だけの問題ではなく、学生や保護者、市民などさまざまな立場にある方の理解が得られる形で決着をさせねばならない大変難しい問題であると認識いたしております。中でもまず考慮すべきは、今ここに学ぶ学生への配慮でありまして、大学側としては学生さんに対して、まずは統合せざるを得ないとする理由を、経営状態も含めまして、しっかりと説明し理解を求める姿勢が必要であると考えます。その他、学生への誠実な対応が見られません限り、市としては統合を認めるわけにはいかないとの立場でございます。さらに、大学側は市に対しましても、設立時の多額の補助金に対して誠実な対応が求められると考えます。

平成16年第4回守山市議会定例会会議録(第2日)
2004年12月14日

■高田正司議員 (質問)
……さらに、過日、新聞報道によりますと、平安女学院の学生の一人が就学権の確認訴訟を提訴されたとお聞きしておりますが、このことについても市長はどのように受けとめ、どう対応されているのかお伺いするものであります。
▲市長 (答弁)
…… 今日まで、平安女学院大学は、守山キャンパスの統合問題について、当方、私どもとの合意はもとより、明確な説明もないままに統合を既成事実化いたしまして、その準備を着々と進めておられます一方、市から受けた補助金の取り扱いについて何ら協議をしようとしない一連の行動は、まことに遺憾であります。
 こうした中、先般来より学院に対して、統合についての明確な説明を求めておりましたところ、過日、学院から学生数の減少傾向、あるいは毎年度の会計収支状況を示す書類が提示されまして、統合により学院経営上の経済的効果が期待できることなど一定の説明を受けるに至りました。しかしながら、統合により経費の削減ができるとしているにもかかわりませず、引き続き別の形で大学機能を残すなど、経営上矛盾している点がございます。まだまだ納得できないところでございます。……

■木村眞佐美議員 (再質問)
 ……この平安女学院大学の学生がお願いをしている弁護士さんは、なぜ守山市が学生が訴訟をする前にやらなかったのか。守山市の顧問弁護士とは随分判断が違います。弁護士によっていろいろあるでしょうけれども、私は、そのことが非常に残念です。
 女子学生は、4月の新聞報道から始まって、学生としてのSOSを守山市に、そして滋賀県に、文科省に訴えてきたんです。しかし、だれも助けてくれなかった。今は補助金の話が先行しているようで残念でならない。「気持ちがよくわかる」では学生の問題は済まされないと思うんです。彼女は、補助金を交付し平女を誘致した守山市だからこそ署名をそれぞれの行政府のトップに渡したんです。
 平女の経営問題ではなくて、学生の教育問題として市長はどのように考えているんですか。学生や保護者にとって、この統合は自分の進路を変える一生の問題。そういう深刻な問題なんです。市長も署名されましたよね。学生が守山市内で必死の思いで集めた1万筆を超える署名を受けとってから、いつ、どこで、だれと、どのような話し合いをされて、守山キャンパス存続のためにどのように説得をしてこられたのか、詳しく明らかにしていただきたいと思います。……
▲市長 (再答弁)
…… 開設されましたときに多大の補助金を県と私どもで出しました。現在の大学の対応を見ておりますと、そういう多額の補助金を支援していただいたというような気持ちがかけらも感じられません。また、一方的に高槻に統合をするということをお決めになった説明が一切なかったということもさることながら、そのことに関して申しわけないという気持ちも一向に伝わってまいりません。しかも、先ほどから申してますように、チラシなどを一方的に配布される。これはもう、やはり信頼まだまだできない。
 そういう中で、学生さんが自分たちの就学権を訴えられる。当然のことだと思います。ただ、繰り返しますが、私どもが今の状態をつくったのでは決してなくて、学生さんたちに対しても、学生さんたちが話し合いの場を求めておられるのを一度もしっかりとした場を持たないような現在の大学にこそ、すべての責任があるわけでございます。……


投稿者 管理者 : 2005年07月04日 01:30

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