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2005年08月01日

科学技術・学術審議会、学術研究推進部会「人文の場合の任期制は,研究が阻害されるおそれもあるのではないか」

科学技術・学術審議会 学術分科会 学術研究推進部会(第8回)議事録

3. 出席者 (委員) 笹月部会長、白井委員、郷委員、中西委員、伊井委員、飯野委員、井上 明久委員、小平委員、谷口委員、戸塚委員、鳥井委員
(科学官) 清水科学官、高埜科学官、本藏科学官、山本科学官
(オブザーバー) 石井分科会長
(説明者) 黒木岐阜大学長、内海九州大学薬学研究院教授・日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員
(事務局) 小田研究振興局担当審議官、森振興企画課長、柿沼主任学術調査官、芦立学術機関課長、甲野学術研究助成課長、里見学術企画室長、仙波基盤政策課課長補佐、絹笠大学振興課課長補佐 他関係官
4. 議事
(1) 「学術研究推進のための大学改革の在り方」について黒木岐阜大学長より、「研究者養成」について内海九州大学薬学研究院教授・日本学術振興会学術システム研究センター主任研究員より、資料4~6について事務局より説明の後、質疑応答が行われた。その内容は以下のとおり。
(○・・・委員、科学官の発言、△・・・事務局の発言、▲・・・説明者の発言)

……(中略)……

○ 九州大学の例で、かなりの学部で、任期制が教員の承認を得ているということで、助手は人文系も徐々に任期制をとっているわけだが、これは全学部に及んでいきそうな傾向なのか。

▲ 違う。

○ 人文学等でなかなか同意がないというのは、どのような背景か。

▲ 人文学の方は詳しくないが、実学の世界では、ほとんど抵抗がない。任期制といっても、再任可ということと、その評価システムの中に教育も入れるということを含めた段階から、議論はほとんど問題なく了承いただいた。
 ただし、理学部については議論がかなり複雑になって、他の話が色々入ったので、結果的にまだ理学部では採用していない。だから、おそらく文化の違いがあるのだろうと思っている。

○ 学術研究を推進するという立場からは、助手とか講師、助教授というところの任期制は、ぜひ必要だと思う。若いときから、ある年限ごとにきちんと評価を受け、そして先へまた進むことは流動化、活性化ということで意味がある。私自身も、研究所の教授に現在在籍している人にも同意してもらい、任期制を導入したが、例えば、アメリカでは、一端アソシエイトプロフェッサー、あるいはプロフェッサーになれば終身雇用で、定年もないという状況をつくってきている。常に任期と評価ということで非常にリスキーなところには優秀な若者が集まらないという反省があるというようなことも考える。一言で任期制といっても、いろいろな運用の仕方も、それから制度としての設け方もあろうかと思うので、任期制が本当に学術研究の推進に、あるいは若手の活性化、流動化に役立つためにはどのようにすればよいのか。やはり十分慎重な議論、討論を深めるのが重要であろうと思っている。

▲ 人文学の場合には、1つのテーマに10年も20年もかかるものだから、任期制により、研究の停滞というか、研究が阻害されるおそれもあるのではないかという危惧もある。……


投稿者 管理者 : 2005年08月01日 00:47

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