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2005年08月03日

「横浜市立大学を考える市民の会」、新たなブログ立ち上げにあたって

横浜市立大学を考える市民の会 blog
 ∟●「横浜市立大学を考える市民の会」ブログ立ち上げにあたって(2005年7月23日 (土))

「横浜市立大学を考える市民の会」ブログ立ち上げにあたって

下記文面のファイルをここからダウンロードできます。

 わたくしども「横浜市立大学を考える市民の会」(以下「市民の会」)は2003年2月の発足以来、横浜市立大学がほんとうに横浜市民ひいては世界の市民に貢献できる価値ある大学となるよう、会としての意見を発表するとともに各方面への働きかけを行ってまいりました。その基本的な主張は、たんなる「改革」のための改革、市の財政負担軽減だけをめざした改革を拙速に行うのではなく、充実した研究と教育が自由に行われることで市民に貢献できる大学となるよう、充分に時間をかけて広く市民に意見を求めつつ改革を進めて欲しいということでした。しかし、まことに残念なことですが、「拙速を避けよ」という私どもの主張はことごとく無視されました。とりわけ昨年3月の市会における平成17年度からの独立行政法人化決定以降、その改革の詳細は一般市民にはきわめて見えにくいものとなり、私どもは、独立行政法人としての横浜市立大学の内容がどのようなものになるのか固唾をのんで見守るといった状況でした。HP更新もストップし、皆様にご心配をおかけしたことをお詫び申し上げます。

 さて、あらたに独立行政法人となった横浜市立大学がこの4月に発足して以来すでに3ヶ月が過ぎ、カリキュラムを含めた新たな大学の姿がようやく見え始めましたが、そこには、すでに「市民の会」が危惧していた幾つもの問題点が表面化しているように思われます。以下箇条書きにてそれらの問題点を指摘するとともに、「市民の会」の意見を併記します。

1 志願者数の減少

 昨年度比約半減となった(http://www.yokohama-cu.ac.jp/02admis/faclty/17jisshi.pdf およびhttp://www.yokohama-cu.ac.jp/ycu_old/jyuken/nyushi/nyushipdf/16joukyou.pdf)今回の受験者数の減少は、「市民の会」のもっとも危惧するところです。「大学間競争で生き残れる大学」という市長の言葉は何だったのでしょう。志願者の減少は、大学のアピール、宣伝不足というより、「国際総合科学部」という意味不明な名称を持つ学部構成に起因するところが大きいと思われます。「市民の会」は、瀬戸キャンパス旧3学部(商学部・国際文化学部・理学部)の一学部統合に一貫して反対して参りました。高校生および進学指導者に対する充分なリサーチなしに、あるいは「初めに変更ありき」でこうした重大な変更が行われたことは、まことに残念なことです。学部構成を早急に変更することは困難としても、内部で新たな学科構成を行うなど、できるだけ速やかな改善を求めます。

2 教員の流出

 優秀な教員の確保は研究・教育の充実のために欠くことのできない基本条件と思われます。ところが残念なことに、とりわけ統合された旧三学部(商学部・国際文化学部・理学部)からの教員流出が相当数にのぼったようです。任期制・年俸制といった待遇の問題ばかりでなく、学問の自由と大学の自治の保障といった、大学としての基本的な性格が損なわれたことにより生じた事態とすれば、きわめて深刻であり、学内の意志決定システムを含め、早急な見直しを求めます。

3 新カリキュラムの問題点

 今年度からの新カリキュラムについては、新入生の受講できる科目が大幅に制限されるとともに、300人、400人という受講者をかかえる講義が続出し、教室の手当すらままならなかったり、コンピュータ実習での端末1台に学生3人といった状態であるようです。また、TOFEL500点といった画一化された進級条件の影響で、英語の授業の出席率が極端に低下しているといった情報(http://blog.livedoor.jp/ycu_press/archives/27390910.html)、も漏れ聞こえます。そもそも「教育に重点をおく」として学生本位をうたった改革が、このような事態を招いていることは異常であり、大学の実態を無視し、現場の教員の声を充分に反映しなかった拙速な「改革」の弊害であることは明らかです。カリキュラムについては、教育に関して充分な経験を積んだ教員の主導により速やかに見直しが行われる必要があると考えます。

4 市民への貢献

 大学のホームページ(http://www.yokohama-cu.ac.jp )を見る限り、産学連携などはともかく一般生活のレベルにおいて、新大学の市民サービスが、かつてと比較して向上しているとは思われません。大学は広く市民の意見を取り入れ、教員および市民からなるコーディネーター組織を作るなどして真剣に市民サービスに取り組む姿勢を明確にしていただきたいと思います。

 以上4点を指摘いたしましたが、いずれも今後の大学の運営においてゆるがせに出来ないことです。「市民の会」は、戦後の貧困の時代から一貫して市民が支え続けた横浜市立大学がより良い大学となるよう常に見守り、その時々に応じて良識ある市民としての意見を具申しつづけて行きたいと思います。そのため、これまでのホームページを記録として保存すると共に( http://www8.big.or.jp/~y-shimin/ )、今後の息の長い活動に備え、ブログというかたちで新たなホームページを立ち上げました( http://y-shimin.way-nifty.com/shimin )。ご覧いただき、ご意見をお寄せいただければ幸いです。


投稿者 管理者 : 2005年08月03日 00:01

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