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2005年09月13日

大阪私学教職員組合、国際人権規約A規約第13条2項(b)(c)の「留保」の撤回を求める要請書

大阪私学教職員組合(大私教)
 ∟●高校・大学の学費無償化に向け国際人権規約A規約第13条2項(b)(c)の「留保」の撤回を求める要請書

内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
 
高校・大学の学費無償化に向け
国際人権規約A規約第13条2項(b)(c)の「留保」の撤回を求める要請書

 
 1966年12月16日、国際連合総会において採択され、日本では1979年9月21日に発効した国際人権規約のうち、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(以下、社会権規約)第13条2項(b)(c)に規定されている中等教育及び高等教育への「無償教育の漸進的導入」を日本政府が留保し続けていることに関して、国際連合の「経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解」(2001年8月31日)は、日本政府に対し、留保の撤回を検討することを強く求める勧告を行いました。そして、この勧告を受けて日本政府が講じた措置について、2006年6月30日までに報告するよう求めています。
 そもそも、国際人権規約批准了承時の国会審議において、園田外務大臣(当時)が「留保条項なしに批准をするのが望ましい姿」「解除する方向に努力し、また、そういう責任がある」と明確に答弁しています(1979年3月16日・衆議院外務委員会)。また、同委員会が採択した要望決議にも、「国際人権規約の留保事項につき、将来の諸般の動向を見て検討を行うこと」が盛り込まれました。さらに、1984年の日本育英会法の制定に際しても、衆参両院文教委員会の各付帯決議において、「諸般の動向を見て留保の解除を検討すること」が求められています。
 しかし、日本政府は、同規約を批准して25年余にわたりこの問題を放置したままであり、「解除する方向に努力」した形跡はありません。
 今日、同条項を留保しているのは社会権規約批准国151ヶ国中、わが国とルワンダ、マダガスカルの3国のみであり、とりわけ先進国であるわが国は、いかに留保の理由づけをしたとしても、国際的にみて恥ずべき後進性を露呈していると言わざるを得ません。
 あらためて言うまでもなく、日本の高等教育に対する公財政支出はGNP比で僅か0.5%ときわめて低く、OECD加盟国平均の半分しかありません。また、家計における高校、大学の学費の負担率はきわめて高い国となっており、長年にわたって増大し続けてきた学費負担のために、教育を受ける機会均等の権利が損なわれ、教育上の差別が生ずるまでになっています。
 私たちは、日本の中等・高等教育の発展及び教育を受ける権利の保障のために、高校・大学の学費無償化条項に対する留保の撤回を求め、すべての教育段階における学費の無償化に向けた措置をとることを強く求め、以下のことを要請します。
 
要請事項

1.国際人権規約第13条2項(b)及び(c)に対する留保を撤回すること。
2.就学前教育から高等教育までのすべての教育段階において、国公私立を問わず、無償教育の漸進的導入の措置を講ずること。
 
以 上

2005年  月  日
団 体 名
代表者名                     印

投稿者 管理者 : 2005年09月13日 00:32

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