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2005年10月28日

富士大学不当解雇事件本訴裁判、第11回口頭弁論報告 いよいよ次回で結審

■富士見ネット通信、19号・20号(2005年10月27日)より

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第11回(2005年10月21日)口頭弁論のご報告
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午後1時10分すぎから20分過ぎまで、いつもの盛岡地裁301号にて、第11回の口頭弁論が開かれました。
前回の被告代表者・富士大学理事長青木繁氏の証言終了後、裁判長から、当日(10月21日)で、結審する旨が伝えられており、原告側からは、今回の法廷に先立って、第8準備書面(内容は、富士見ネット通信 次号をご参照ください)と書証・証拠説明書が提出され、被告側からも、当日、第10準備書面(以下で要旨をまとめました)と書証の提出がありました。

裁判長「(前回までの双方の証人による)尋問を終えて、他にありますか。」
原告側・菅原弁護士「ありません。結審していただいてけっこうです。」
被告側・坂口弁護士「はい。」

ということで、本日をもって、審理の終結が宣言され、判決のいいわたし日が指定されると思っていましたら、裁判長「弁論続行します。裁判所として、記録を確認したい。」

これは、あまりないことなので、被告側の弁護士も尋ねていましたが、裁判長から「検討したい。」という返答でした。

通常ならば、当日までに、各裁判官が準備書面・書証などを読み終えて、合議が終了し、判決文の大枠ができたうえで、審理の終結が宣言され、判決日の指定がなされるはずです。

推測するに、他の裁判(事件)とは異なり、書証の数も多く(原告側は、107点、被告側も103点)、A4版の用紙で、準備書面とともに積み上げると約50センチの高さになります。被告側が、当日になって、21頁にわたる準備書面を提出してきたことにもよるのでしょう。しかも、裁判長が4月に交代していました。被告側が、前もって提出せず、当日になって準備書面を出してきたということは、被告側が引き延ばしたに等しいことです。

というわけで、次回期日は以下の通りです。

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第12回口頭弁論
11月25日(月) 13時10分 盛岡地裁301号法廷
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12時30分 資料配布 内丸教会
12時45分 盛岡地裁1階道交待合室前集合
13時 入廷
終了後 傍聴者集会 内丸教会

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被告・富士大学法人側の最終準備書面の要旨
(原告側の最終準備書面の要旨は、次号にお知らせします)
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1 本件解雇は、被告の提出した被告大学就業規則の定める手続を履践してなされたものであり、解雇手続は適法である。
2 解雇理由について
(1)「経済史」「日本経済史」担当の専任教員としての適格性欠如
(2)講義内容における適格性欠如
(3)平成13年度「経済史」講義の実態から明らかな原告の適格性欠如
①不適切な資料を用いた講義。
②シラバスの授業内容(構成)を全く無視した講義。
③講義資料を棒読みするだけの講義。
④貴重な講義時間を「経済史」の講義以外に使用する講義。
⑤原告が使用した講義資料のうち、「経済史」講義の資料といえるものは全体のうち5割にすぎなかったことと、「経済史」講義以外のためにかなりの講義時間が使用されたことの結果として、原告の「経済史」講義は、単に資料を棒読みすることが「経済史」講義にあたるとしても、量的には極めて少ない時間しか行っていない。
⑥「経済史」担当教員として求められる正確に使用すべき用語の読み違いや、誤った使用がなされる講義。
⑦大学教員としては極めて適格性に欠ける用語の読み間違い。
(4)所定勤務時間の労務不提供
(5)教育事業の発展への支障
3 結論
以上のとおり、本件解雇は原告が被告設置の被告大学における「経済史」講義、「日本経済史」講義担当の専任教員(助教授)としては、その適格性を著しく欠くものであり、また勤務実績においても極めて悪いものであることを理由とするものであり、これらの理由は書証、人証により認められる。また、解雇手続にも違法な点はない。原告は、本件解雇は青木伸理事長が原告に対する嫌悪感から原告を排除することを目的として、様々ないやがらせ強迫を行った旨主張しているが、本件各証拠によって、原告主張の具体的事実は認められない。よって、原告の請求は棄却されるべきものであると確信する次第である。

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原告側最終準備書面の要旨
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原告側(富士大学川島助教授)は、10月17日に、最終準備書面を裁判所に提出しました。ここでは、その要旨をご紹介します。(被告側準備書面の要旨は、前19号をご参照ください)

1 原告には債務不履行はない

①被告の主張-「経済史」及び「日本経済史」について、通常の大学の経済学部で行われるオーソドックスで標準的な講義を行わず、特定の時代・地域・テーマに偏った講義を行ったこと。

・原告の反論-被告の主張するところの「通常の大学の経済学部で行われるオーソドックスで標準的な講義」なるものは、そもそも存在せず、被告学内の合意も存在しない。原告は、経済史上の具体的な事例を教材としながら、市場経済の歴史について教育研究を行っていた。被告が主張する「特定の時代・地域・テーマ」と称するところの原告が行った講義内容は、経済史の教育研究上の方法である。同僚の助教授も、「19世紀前半」という「特定の時代」、「アメリカ合衆国南部」という「特定の地域」、「棉花プランテーション」という「特定のテーマ」を講義していたが、問題とされなかった。被告は、経済史担当者に望まれるのは、市場経済=資本主義経済の歴史を講義することであると主張し、原告の市場経済に対する主張と異なっている。しかし、市場経済という概念は、資本主義経済に限定されず、また、被告の主張によっても、そのような根拠がない。したがって、被告は、原告が「市場経済とは資本主義経済であるということを全く理解していない」と主張する根拠がない。

②被告の主張-「経済史」と「日本経済史」は異なる科目であるにも拘らず、講義を全く同一のテーマで行い、しかもそれを誤魔化すために年度を変えて交互に行ったこと。

・原告の反論-その事実はない。被告がそのように主張するのは、実際の講義内容を知らず、シラバスの文面のみによる誤解、ないし歪曲、さらには誇張して主張しているからである。

③被告の主張-講義の中で、授業の主題とは関係のないことに多くの時間を割き、授業の主題に費やした時間は僅かであったこと。

・原告の反論-その事実はない。被告は、おもに平成13年度の経済史講義内容をもって非難しているが、その際の配布資料は、資本主義経済の歴史を主題としているか、または、それを説明するための前提的な知識を提供したものである。時間的にも、被告の主張は、根拠を欠いている。また、原告が歴代の被告大学図書館長の承認を得た上で、課長に依頼して実施させた図書館利用教育は、経済史の内容であったし、原告が実施した論文・レポートの書き方指導は、経済史に関するものである。

④被告の主張-「講義資料」なるものをただ棒読みするだけの講義であったこと。

・原告の反論-その事実はない。原告は、資料を読み、解説する講義方法を行っていた。それは、教育活動として意義があり、被告は、原告の教育活動の一部分のみを歪曲して誇張して主張しているにすぎない。原告の受講生は、講義内容を理解できている。

⑤被告の主張-「経済学」に関する基礎知識を欠き、重要な概念や経済用語の解説も行わない講義であったこと。

・原告の反論-その事実はない。たとえば、「二重構造」については、資料を配布し、その概念について説明していた。これ以外についても、受講生にたいして、重要な概念や経済用語について、説明していた。そもそも経済学に関する基礎知識・重要な概念そのものが、定立されているわけでもない。

⑥被告の主張-教育職員として、就業規則に定める勤務時間の5割程度しか大学に勤務しておらず、労務の提供という点においても、債務不履行が生じている。

・原告の反論-その事実はない。教育職員にたいする「就業規則に定める勤務時間」の定めもなく、就業規則第20条についても、被告は「旧来からの慣行もあるんで、教員については、その慣行を尊重」(青木調書)するとともに、大学教員の勤務の特殊性を認めているので、被告の主張は、まったくあたっていない。仮に被告の主張する通りに、「教育職員として、就業規則に定める勤務時間」が存在したとしても、原告は、日数・時数においても、100%前後、勤務しており、「労務の提供という点においても、債務不履行」の事実はない。

2 「勤務成績が著しく不良で業務に適さない」に該当する事実はない

⑦被告の主張-正教授会により、「経済史」担当教員としては不適任と判断されたこと。

・原告の反論-2001年7月31日の正教授会において、経済史の担当教員として不適任と判断されたことは事実であるが、この判断は、判断の手続きおよび内容において誤っている。正教授会で審査するにあたっては、原告に問題点の説明・弁明をさせるべきであったが、「その必要はない」として行っておらず、そのため誤った認識にたち、審査をし、結論を出してしまった。原告にその機会を与えれば、別の結論になった可能性もある。原告の経済史の講義について誤った認識にたっていたことは、原告の陳述書で詳細に説明しているので繰り返さないが、正教授会の判断の基本的な欠陥は、「経済史」とは、「市場経済=資本主義経済」の講義であるとして、反対説の存在を念頭に置かなかったことである。もし、原告にその説明・弁解の機会を与えれば、容易に有力な反対学説が存在し、原告がその立場で講義をしていたことに気づき、また経済史は、歴史学的立場からの講義もあり、「自分の専攻に引き寄せた講義をしている」という誤解も生じなかったはずで、経済史担当教員として不適任という学問的な判断も根底から崩れたはずである。

⑧被告の主張-上記に掲げた①~⑤は、原告の能力に問題があることに起因するものである。

・原告の反論-その事実はない。そもそも、上記の諸事実は、いずれも誤った主張であるし、原告は、正規の審査を経て、1994年4月に採用されており、2001年8月1日にいたるまでの間、まったく原告の能力について、疑問視されたことも、指摘されたこともなった。原告は、色々と工夫・努力をして教育研究の改善に努めてきたが、その成果の一部として、原告のゼミから国立大学に連続して6人、地方公務員を3人輩出しており、このような例は、被告大学においては他にない。このことからみても、原告の能力が問題にされるべき理由はない。

⑨被告の主張-講義中に、大学教員としての資質が問われるような漢字・語句の読み違いを多発したこと。また、その他にも、大学教員としての資質を疑う発言や行動があったこと。

・原告の反論-その事実はない。読み間違いとされた「賦役」についても、「ぶやく」とも読むことに、経済学科7教授が無知であったために指摘されただけである。

⑩被告の主張-勤務成績には、勤務状況も含まれており、勤務状況不良も勤務成績不良に含まれる。

・原告の反論-その事実はない。(⑥で前述した。)

3 教育事業の発展に支障があると認められたときに該当する事実はない

⑪被告の主張-原告の行った講義の内容が、受講した学生経由で出身高校に伝わった。

・原告の反論-被告は、主張するのみで、具体的な事実について立証しておらず、そもそも不当な解雇を正当化しようとするこじつけの主張にすぎないので、そのような事実はない。

⑫被告の主張-富士大学は、教育に重点を置く大学であるから、日本一の授業を行おうという学長方針に反し、上記の①~⑤に述べたような講義を行ったこと。

・原告の反論-その事実はない。それどころか、原告は、教育に重点をおいた講義をすすめており、その結果、ゼミ生の多くが、国立大学の大学院に合格し、公務員として活躍している。

4 原告主張の結論大学においては、学問・教育上の立場の違いからさまざまな意見の食い違いが生ずることがあるので、大学教員の勤務の評価にあたっては、手続き的にも、内容的にも、慎重であるべきところ、被告は、原告に対して手続き的に問題があるだけでなく、解雇理由である教育方法・内容についても、恣意的、かつ強引な主張を組み立て、本件解雇を行ったものであり、解雇権を濫用したものとして無効である。また、被告は、原告を嫌悪し、大学から排除するために、異職種配転その他の嫌がらせを継続的に続け、原告の大学教員としての名誉と研究生活を著しく侵害し続けており、原告の請求する損害賠償額(700万円)は、妥当なものである。

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投稿者 管理者 : 2005年10月28日 00:00

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