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2005年10月28日

埼玉大学教育学部、WG報告を公表 12.3田隅見解を全面否定

埼玉大学ウォッチ

12.3田隅見解を全面否定
「学長は機関の議決に優越しない」

教育学部がWG報告を公表

埼玉大学教育学部と同学部法規研究ワーキンググループは10月26日、「埼玉大学内の合議機関(学長選考会議、役員会、教育研究評議会、経営協議会、教授会)に対し、学長がそれらの機関の議決に優越する“最終意思決定”をなし得る機関であると解することはできない」とする報告書を緊急出版した。(こちら)

埼玉大学の田隅三生学長は、2004年12月3日の「法人化後の学長の権限とその行使に関する見解」で「役員会、経営協議会、教育研究評議会は全て審議機関であり、意思決定を行う権限を有していない。法人としての国立大学の意思決定は最終的に学長にゆだねられる」と宣言していた。(こちら)

この教育学部WG報告書に盛りこまれた主旨は、検討の過程ですでに2回にわたって教育学部教授会に報告されており、事実上の学部見解とみられる。12月3日田隅見解に対して、非公式ながら、間違っていると学部単位で表明したのは教育学部が初めて。教育学部は2004年10月に、国立大学法人の法的枠組みについての共通認識を得るために、WG(林量俶座長ら5人)を立ち上げていた。

このほど田隅学長が部局長会議規則の変更案を持ち出したため、急ぎ報告書が出版された。報告書は、①法人法解釈にかかわる重要なキーワードの理解の仕方②学長の権限と関係規定③学長選考会議、役員会、教育研究評議会、経営協議会、教授会、学部長の権限と関係規定について、詳細な調査と緻密な解釈を行っている。そのうえで、2004年12月3日の田隅見解が「田隅ドグマ」にすぎないことを鮮やかに論証している。

報告書の緊急出版にあたって渋谷治美教育学部長は「まえがき」のなかで、この報告書の考え方を「学内に限らず、全学あるいは学外の方々にも広げることがあってもいいでしょう」と書いている。

教育学部WG報告書の解釈にたてば、田隅学長は大学運営の大前提となる国立大学法人の法的枠組みについてとんでもない曲解をし、その曲解に基づいてこれまで埼玉大学を管理してきたことになる。そしてついには、部局長会議を通じて全学を学長の個人支配下におこうとする規則変更へと暴走したわけだ。

(花崎泰雄 2005.10.26)


投稿者 管理者 : 2005年10月28日 00:00

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