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2005年10月27日

立命館への土地・建物20年間貸付提案と議決は,何の目的だったのか

 下記の京都新聞の記事は,2006年4月に開校する「立命館守山高」が,1年後に平安女学院大びわ湖守山キャンパス跡地(三宅町)へ移転した後、市に返還される市立守山女子高の跡地利用について,市が「地元の意向も踏まえて来年度中に計画をまとめる方針を示した」する内容の記事である。地元の自治会も,その利用方法について住民から意見を募集し、10月中に市に要望書として提出する予定という。

 この記事を読んで驚いた。つい先日の10月13日,守山市は,立命館からの要請であったのか,あるいは市の独自の判断だったのかは分からないが(しかし正式な議会で提案する以上,少なくとも市と立命館との間で何らかの事前協議がなされていたのもと思われるが),現行の市立守山女子高校の土地と建物について,立命館に「20年間」無償の貸付を行う旨市議会に提案し,決議されたばかりである。

 どうして20年もの長い間,無償で貸し付ける必要があったのか,その提案の曖昧さも含めて大いに疑問に思った。この点は,議会でも問題になった。20年もタダで貸す必要もないのに,私学審議会を異論なく通過させるためだけの単なる方策にすぎないとの話しも出たようで,「審議会をあざむくものであり容認できない」と議員から反対意見も出たとされる。しかし,この目的が本当であるとすると,それはまるで「子どもだまし」ではないか。したがって,裏に何か意図があるのではないかと思っても不思議ではない。

 しかし,下記の新聞記事の内容はどうであろう。つい先日,立命館に土地と建物を「20年間」無償で貸し付ける議決を行った事実などまるでなかったかのように,2007年4月からの跡地利用について,来年度中に計画をまとめるという。市議会での決議内容は一体なんであったのだろうか。どうして20年間という数字が出てきたのだろうか。まさに,私学審議会を通過させるためだけの「子どもだまし」のような提案であったのであろうか。議案を提案する側,および20数名いる市会議員側も,20年間貸し付けるという責任ある決定を行ったという自覚があるのか。下記の新聞記事には,「立命館守山高校」が1年後に守山キャンパスに移転するとは書いてあるが,その後いつ女子高校の跡地を「返還」するとは書いていない。ただし,貸付議決通り20年後の「返還」を予定して来年度中に計画を立てるというわけでもあるまい。

 まるででたらめな市長と市議会のように思えてならない。


来年度中に計画決定 地元から公募も 市立守山女子高跡地利用

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005102600030&genre=A2&area=S10

 滋賀県守山市は25日、来春開校する立命館守山高が、1年後に平安女学院大びわ湖守山キャンパス跡地(三宅町)へ移転した後、市に返還される市立守山女子高の跡地(勝部3丁目)利用について庁内で意見を募るとともに、地元の意向も踏まえて来年度中に計画をまとめる方針を示した。……


投稿者 管理者 : 2005年10月27日 01:41

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