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2005年10月13日

鹿児島国際大学不当解雇事件、福岡高裁宛「仮処分申請書」(全文)

鹿児島国際大学解雇事件の裁判と資料
 ∟●「仮処分申請書」(2005年10月7日)全文PDF版

仮処分申請書

平成17年10月7日
福岡高等裁判所宮崎支部 御中

債権者ら代理人
弁護士  林    健 一 郎
同   井 之 脇  寿  一
同   森     雅  美
同   増  田     博
同   小  堀  清  直

当事者の表示-別紙の通り

申請の趣旨

1 債務者は、債権者田尻に対し、各金 ------ 万 ------ 円を、債権者馬頭に対し、各金 ----- 万 ----- 円を、債権者八尾に対し、各金 ----- 万 ----- 円を、いずれも平成17年9月から本案判決確定の月までの毎月20日限り、それぞれ仮に支払え。
2 申し立て費用は債務者の負担とする。

申請の理由

第一 被保全権利

……(中略) ……

三 通常解雇と違法性

1 債務者は予備的に通常解雇の主張をなし、債権者らに対し平成14年10月25日付書面で解雇を通知した(疎甲第4~6号証)。同解雇通知によれば、債権者らが記者会見を行ったり、インターネットでメッセージを発信したことが背信的行為に該当し、これによって懲戒解雇処分の有効性を貶め、債務者の名誉を毀損したなどという驚くべきものである。
しかしながら、債権者らが記者らの要請に応じて会見をしたりインターネット通信で事実を述べ、自己の行為が誤っていなかったと訴えることが解雇事由になるのであれば、もはや言論の自由はない。
2 したがって、債務者の本件解雇処分は著しい権利の濫用である。

四 裁判所の判断
1 鹿児島地方裁判所は、平成14年9月30日に懲戒解雇は理由がないとして、債権者らの地位保全、賃金の仮払い、研究室の利用妨害禁止などを認める決定をした(疎甲第7号証)。
債務者はこれに対し異議を申し立てたが、同裁判所により平成16年3月31日に上記決定の認可がなされた(疎甲第8号証)。債務者は同認可について貴裁判所に抗告を申し立てたが、後日これを取り下げている。
2 ところで、債権者らは平成14年11月19日に本案訴訟を提起したが、債務者はその係属中である平成15年10月以降、債権者らに対し賃金を支払わなかったことから、再び債権者らは平成15年10月15日に鹿児島地方裁判所に対し賃金の仮払いを求めて仮処分を申請した。そして、同裁判所は平成16年8月27日に仮処分決定をなした(疎甲第9号証)。同決定によれば、債権者らに対し賃金の仮払いについて平成16年9月以降第1審判決言渡まで認めている。
3 また、本案において、平成17年8月30日に債権者らの主張を全面的に認める判決が言い渡された(疎甲10号証)。
債権者らに対する債務者のなした本件処分が違法であることは、裁判所の度重なる判断によってもはやゆるぎないものとなっている。

第二 必要性
ところが、債務者は本案判決を不服として控訴し、これを理由に執行停止の申立をなし(疎甲第11号証)、債権者らに賃金の支払いをしないため、債権者らは再び路頭に迷う状況に陥っている。
一 債権者田尻の平成13年の1ヶ月の平均賃金は金-------万-------円、同馬頭について1ヶ月の平均賃金は金------万------円、同八尾について1ヶ月の平均賃金は金------万------円である(疎甲第12~14号証)。
二 本件のようなあまりにも理不尽な処分によって債権者らは生計の手段を失い、収入の途が途絶え、研究費すら与えられず、家族を抱えて不安定な生活を強いられている(疎甲第15~17号証)。
第三 よって、本申請に及ぶ。


投稿者 管理者 : 2005年10月13日 00:28

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