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2005年10月20日

国立大学法人法・意見広告の会、授業料問題に関する各政党への要請と斎藤鉄夫・衆議院文部科学委員長からの返信

■「意見広告の会」ニュース304より

2-1 斎藤鉄夫・衆議院文部科学委員長からの返信
 
8月末メールを頂いておりましたのに、お返事が大変遅くなり申し訳ございませんでした。

全く、同感です。
我が党(公明党)は、これまで奨学金の拡充に力を注いできました。
渡し切り型、そしてその次に無利子貸与の拡充を訴えてきましたが、力足らず、有利子貸与を大幅に増やすという形でしか、まだ、実現できていませんが、これからも頑張っ
ていくつもりです。
そして、大学授業料の問題、「意見広告の会・事務局」さんのおっしゃる通りと思います。
我が国の国家予算の中にしめる、教育関係費、特に高等教育関係費の率の低さは、先進国とは呼ぶのも恥ずかしくなるようなものです。
少子化対策という視点からも、今後も頑張って参ります。

衆議院文部科学委員長 斉藤 鉄夫
衆議院議員 斉藤 鉄夫事務所
 ◇TEL:082-568-2236
 ◆FAX:082-568-2320
 ◇E-mail:office@t-saito.com

2-2 貴党マニフェストへのお願い

私どもは、「国立大学法人法・意見広告の会」と申します。
このメールは、各政党とともに、文科関係の前職・現職の国会議員の方々にお送りしております。

 私どもは本年2月3日、多くの方々の支援・賛同金によって、「読売新聞」「毎日新聞」の全国版に「国立大学の授業料値上げに反対する」意見広告を掲載いたしました。

 ご存知の通り、多くの国立大学法人は本年4月からの授業料を、年額52万800円から53万5千800円に、1万5千円値上げしました。文部科学省令により「授業料標準額」が1万5千円値上げされたことに基づくものです。

 「授業料標準額」に関わる本年度の予算審議の過程で、衆参両院の予算委員会や文科・文教委員会では、議員の方々、政府関係者が「国立大学の授業料は既にこれほど高くなっていたのか」「自分たちの学生時代には年額1万2千円だった、3万6千円だった」等の驚きの声をあげました。我が国の大学進学のための家計負担は、先進諸外国と比べても恐るべき高額に達しております。

 少子化の流れは、現在の日本社会がかかえる重大な問題です。その少子化の原因の一つに、日本の教育費の高騰があげられていること、多くの識者の共通の認識でありましょう。その教育費負担の高額化は、いま現在の小さなお子さんにかかる教育費だけの問題ではありません。高等教育に関わる負担には、各家庭の将来への希望ないし不安が関わっていると思います。能力ややる気があっても、大学や大学院を卒業するのに負担が大きすぎる、そんな社会では出産・子育てに躊躇する人々が増大するのも当然です。

 貴党を含め多くの政党が、政策マニフェストの中に「少子化対策」「子育て支援」をうたいあげておられます。私どもは、少子化対策は現在の子育て支援だけでは不十分で、将来の希望につながるものでなければ有効ではないと考えます。能力とやる気があれば誰でも高等教育を受けられるのだ、経済的理由によって進学を断念する必要はないのだ。このような「希望」は、直接の利益者のみならず国民に普遍的に分配されます。それは、将来社会全体の明るさに関わるものであるからです。

 どうぞ貴党のマニフェストに、私学を含めた大学の授業料の値下げ、家計負担の軽減化をお加え下さい。貸与型の奨学金は学生や家計負担者にとって魅力のあるものではありません。やる気と能力のある若者に高等教育の機会が均等に与えられる、そんな希望のある社会が日本を活性化します。

 幸いに、大学の学費負担の軽減化のための国家的な経費は、さほど膨大なものではありません。もちろん軽減化の規模にもよりますが、仮に些少なものであっても、それはこのような時代にあって国民に希望を与えます。希望の効果は多少の費用に換えられるものではありません。

 繰り返しますが、日本の高等教育にかかる家計負担は、世界標準から言っても異常なほどに高額です。貴党が高等教育への家計負担の軽減化のための政策をマニフェストとして宣言して下さることを、願ってやみません。

 なお当会は、全国の国立大学関係者を中心に、電子メールによる「意見広告の会ニュース」を発行しております。貴党からの何らかの形でのご回答は、当会のニュースに掲載させて頂きたく存じます。
                  
8月29日
「意見広告の会」事務局


投稿者 管理者 : 2005年10月20日 01:23

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