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2005年10月20日

都立大・短大教職員組合、全教員の任期・年俸制を前提とした評価制度は容認できない!

都立大・短大教職員組合
 ∟●手から手へ、2369号

法人当局の「教員の新たな人事制度の全体像」(案)に対する中央執行委員会の基本的立場

全教員の任期・年俸制を前提とした評価制度は容認できない!
十分な検討なしの制度案の既成事実化に絶対反対する!

 はじめに
 法人当局は、10月13日に行われた団体交渉で、組合に対し「新たな人事制度の全体像」(案)(以下、「全体像」とする)を提示した。これについてはすでに「手から手へ」に、団交の際の総務部長発言と組合側発言を掲載している。今後、組合は当局に対して解明要求を行うなかで、「全体像」が提示している教員評価制度、任期制、年俸制のもつ個別の問題点を明らかにしていきたい。ここではそれに先だって、教員の人事給与制度に関する法人当局の態度と、「全体像」が打ち出した教員評価制度、任期制、年俸制についての組合の基本的立場を明らかにしておきたい。

的外れの人事制度設計の観点
 今回の提案の検討の前に、まず確認しておくべきことは、昨年来労働条件の露骨な不利益変更に耐えてきた大多数の教員と組合が反対し続けてきた言語道断な「新・旧制度」が破綻したことである。しかしながら、この事実にも関わらず、今回新たに提案された当局案には根本的な反省が反映されてはいない。
 「全体像」は、団交での当局の発言によれば、これまでの人事給与制度についての組合との交渉および年俸制・業績評価検討委員会での議論などを踏まえてまとめられたとされている。しかし、「旧制度」選択者に対する具体的な提案がなく、また教員全員を対象とした任期制・年俸制導入など、これまでの交渉や議論の経過を踏まえた提案とはいいがたい。むしろ「全体像」の提案理由とされているのは、大学をめぐる厳しい情勢のなかで競争を勝ち抜くための教育研究水準のさらなる向上が必要であり、そのため切磋琢磨して能力を最大限に発揮し、意欲と活力に満ちた組織を作り上げることが求められるという一般論なのである。このうち教育研究水準の向上のため切磋琢磨することは大学人にとってもちろん必要なことであり異論はないだろう。しかしながら、法人側が前提として直視すべき現実の深刻な問題として、首都大発足後、大学運営や法人運営の停滞が明らかであり、かつ教員が意欲をもって教育研究にあたるという体制も雰囲気も十全とはいえないことがあげられる。いまだに教員の流出が止まらないことは、それを端的にあらわしている。また最近実施された大学院入試の状況をみても、都立の大学時代に比べ受験者が大幅に減少した専攻が多いことは、総体として新大学が停滞した状況にあることを示している。
  従って教員の人事制度も、このような現状を打破して教員が意欲をもって教育研究にいそしみ、都立の大学であった時代以上に大学が円滑に運営されるためのシステムでなければならないはずである。しかし今回当局が提示した、任期制、年俸制、教員評価の三位一体の制度設計が、こうした目的にかなうものだとは思えないのである。……


投稿者 管理者 : 2005年10月20日 01:27

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