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2005年10月31日

立命館大学の事態は京都の私大のみならず全国的に影響を与える問題、京滋私大教連二〇〇五年春闘

京滋私大教連
 ∟●機関紙(第 104 号)2005. 10. 27

二〇〇五年春闘の状況と課題

京滋私大教連書記局

 
(1)二〇〇五年春闘をめぐる状況
 
 今年度の京滋地区の春闘は、同志社で本俸給の一部改定を実施する回答が示されましたが、立命館では一時金の一ケ月分カットが示されるという全く正反対の状況が起きています。
 
 京滋私大教連は、立命館の春闘状況を単に一学園での事態として捉えずに、京都の私学全体、引いては全国の私立大学の動向に大きな影響を与える問題として認識し、各単組と各地区の私大教連へ支援要請として、激励メッセージや組合集会・団体交渉への参加を呼びかける中で、単組間の連帯・共同を強める春闘を展開してきました。
 
 立命館の回答の特徴点は、「高等教育をめぐる情勢」と「新しい時代の学園課題推進のための基本視点」(回答書文中)において、その認識が端的に示されています。具体的には、①研究の高度化に向けて急速に具体策を講じる必要がある、②学園財政をめぐる状況が厳しさを増す中で、「選択と集中」の観点の徹底に基づいた予算の重点化配分を進める、③高度な研究と教育を支える政策立案能力と、それを遂行する大学運営・マネジメント力量の向上、④教職員の処遇制度における「画一的平等主義を廃」して、外部人材を迎え得る条件整備と研究力と教育力の高度化のために処遇条件の整備をおこなう、等いくつかの論点を上げてその考え方が示されています。
 
(2)二〇〇五年度春闘の到達点
 
 二〇〇五年春闘では、京滋地区全体で立命館理事会の主張と論点を把握し、課題を共有化すると共に立命館大学教職員組合の春闘を支援する取り組みに重点を置いた闘いを進めてきました。立命館で開催された全教職員組合集会に、私大教連執行委員や各単組役員の参加を要請する中で、春闘における単組間の連帯感を作り出すことを追求しながら、私大教連書記局は「春闘速報ニュース」を前半期に一二回発行して情報の共有化をはかってきました。
 
 そのような状況の下で、立命館では理事会の春闘回答の撤回を求める署名に一二〇〇筆あまりの賛同が寄せられるとともに、全学部教授会と法科大学院教授会、全職員職場で春闘回答に対する反対決議が挙げられるなど、近年にない組合員の強い結集を作り出す運動が展開されてきました。
 
 また、二四年ぶりに開催された団体交渉では、教職員六〇〇名が参加する歴史的な闘争が展開されましたが、団体交渉に向けて各職場で討議して寄せられた意見を基に議論を展開する中で、論戦では完全に理事会を圧倒し、理事会は回答を二転・三転させる混迷な態度に終始しました。このような立命館大学教職員組合の取り組みは、本来の組合活動における原則(組合員の要求や声に依拠した取り組みの展開)が、大きな結集力を生み出す原動力であることを改めて示しました。
 
(3)組合の組織強化と大学政策づくりを目指して
 
 次年度の春闘に向けて、立命館の取り組みの教訓を生かすとともに、春闘の取り組みを軸にした組合活動の活性化につなげる独自の努力がいっそう必要となっています。組合員が少数の単組であっても、学園が直面する課題を分析し今後の展望を切り拓くために何が必要なのか、教職員の視点から問題提起をおこない、組合の存在が教職員をつなげる「環」となるような組織強化を考える必要があります。
 
 また、理事会が主張する「社会的水準論」や学生・父母、社会に対する説明責任との関わりで、教職員の賃金・処遇のあり方をどのように考えるのか、今年度の春闘論議を踏まえながら、論理的な見解の整理を進めたいと思います。
 
(4)大学の社会的役割を問い、民主的な組織運営を確立しましょう!
 
 大学をめぐる状況が厳しさを増す中で、大学運営のトップダウン化を進めようとする動きが強まっています。しかし、大学をめぐる状況が厳しい時だからこそ、大学内における民主的な組織運営と合意形成のあり方を重視し、大学の社会的な役割や位置づけを積極的に問いかける取り組みが必要です。京滋私大教連は、大学が地域・社会との関係において、どのような役割を果たすのか、京都地域における将来に渡った大学の社会的な役割について、学生・市民と共同して考える取り組みを強めたいと思います。

投稿者 管理者 : 2005年10月31日 00:00

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