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2005年10月31日

北大、年俸制の導入へ 来春から

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20051028&j=0046&k=200510289099
本俸制については「北海道大学中期目標」6ページ

研究者へ年俸制 来春から北大 人材確保狙う

 北大(中村睦男学長)は二十七日、来春から教員の一部に年俸制を導入することを決めた。対象は、国や企業などの外部資金による研究のため期限付きで採用している教員。優れた研究者を確保するのが狙いで、最高額は学長年収(約二千二百万円)並みとするなど、一般教員よりおおむね高額となる見通し。道内の国立大学法人で年俸制を取り入れるのは初めて。

 国立大は二○○四年の法人化後、独自に給与体系をつくることが可能になった。人材確保のため年俸制を導入する動きは道外で先行しており、北大も検討を重ねていた。

 国の補助金や企業の寄付で進める研究は、常勤の教授などがリーダーとなって、一-五年の期限で必要な人材を採用。北大には今年六月現在で二百七十六人おり(時間給採用者除く)、給与額は法人化前からの体系に従い、一般の教員と同じく、学歴や経験年数などで算定している。

 北大が年俸制を適用するのは、これらの外部資金研究の教員のうち、○六年度からの新たな採用者。研究チームの所属する学部長が、採用する人の業績を評価し、新たにつくる算定基準表に沿って年俸を決定する。

 北大は年明けにも、評価の考え方をまとめるが、「年俸の適用人数は現段階では不明」(北大人事課)という。

 年俸制導入を準備している井上芳郎副学長は「国内の他大学や企業はもとより、年俸制が一般的な海外からも研究者を呼び寄せることが可能になる」と話している。

〈解説〉
 北大が一部教員への年俸制導入に踏み切るのは、大学同士の人材確保合戦に乗り遅れまいとする意図からだ。年俸制をすでに取り入れた道外の大学では、年々、対象者を増やしている。法人化から二年近くを経て、国立大の教員にも本格的な実力評価時代が到来したと言える。
 年俸制を昨年から導入した阪大は、○四年四月の導入当初の対象者は二十五人だったが、今年十月には百四十六人と六倍近くに増やした。
 東大や名大、東北大も、相次いで年俸制を取り入れている。
 「法人化前からの旧態依然の給与体系では、私大や民間企業の研究部門に負けてしまう」。年俸制に対しての国立大の積極姿勢の裏には、そうした焦りもある。
 一方で、「評価基準づくりが難しい」(北見工大)などの理由で、これまで道内の動きは鈍かった。座視していれば、優れた人材を集めて華々しい研究成果を打ち出す大学との差はますます開いていく。北大の年俸制導入によって、他の道内国立大も具体的な検討を迫られることになりそうだ。

投稿者 管理者 : 2005年10月31日 00:00

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