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2005年11月29日

横浜市立大、学長選挙 元数理科学教室2教授が候補者に「質問状」提出

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ∟●最新日誌(11月28日(1))

11月28日(1) 二人の学長候補の選考は進行中なのか、すでに終わって発表を待つだけなのか、そうしたことさえ学内の人間(教職員一般)にはわからない。

 この間、数理学教室から二人の候補に質問状が出され、所信表明会での回答、あるいは文書による回答を求めてきたようだが、候補者所信表明の会では、布施候補がちょっと「一楽先生からの質問にこたえます」と数理学科からの質問に言及した(「いい改革をやってきたので反省すべき点はない」、数理学科の再建に関しては「そのような世論が出てくれば考えるが、しかしそれは難しいのでは」といったような趣旨の表明だったと記憶する)が、回答はそれにとどまるようである。私の受け取り方が間違っているかもしれないが、正式な文書による責任ある回答が期待される。

 ともあれ、その質問状をいただいたので、以下に紹介し、何が問題になっているか、その論点だけでも明らかにしておこう。

質問状

ストロナク学長候補殿

 以下の項目について、所信表明の場でご回答下さるようお願い致します。それが不可能な場合は、11月20日までに文書で回答くださるようお願い致します。

横浜市立大学 元数理科学教室 
教授 一楽重雄
教授 市田良輔

1.今回の大学改革が、大学の自治の原則を踏みにじり、教員の賛同を得ないままに横浜市が一方的に「改革」を進めたものであることはご存知のことと思います。新大学が発足して半年以上たった現在に至っても、多くの教員は疎外感を持ち、よりよい新大学を作ってゆくという気持ちを持てないでいます。このようななか、ストロナク氏は、学長として学生との話し合いの場を持たれたことは、報道によって承知していますが、一般教員と直接会話する機会は、これまでまったく持たれなかったと思います。むしろ、教員との話し合いこそ必要であったのではないかと思いますが、この点についてどうお考えでしょうか。お考えをお聞かせください。

2.新大学では、合理的な理由もなく、また、納得できるような説明もないまま、数理科学の専攻が廃止されてしまいました。入試倍率がもっとも高く、近隣に競合する大学も少ない数理科学の専攻を廃止することは、経営の観点でみても不思議なことでした。私たちとしては、できるだけ早い機会に、なんらかの形で数理科学の専攻を復活したいと考えています。このことについてのお考えをお聞かせください。

質問状

布施学長候補殿

 以下の項目について、所信表明の場でご回答下さるようお願い致します。それが不可能な場合は、11月20日までに文書で回答くださるようお願い致します。

横浜市立大学 元数理科学教室 
教授 一楽重雄
教授 市田良輔

1.布施教授は、今回の「大学改革」に当たって、横浜市に協力し、多くの教員の意向と異なる「改革」の実現に努力されて来ました。このことに対する責任をどうお考えになっているか、お答えください。
 これまでは「教員を代表して横浜市に協力したのではなく、あくまで個人として協力しただけであるから、教員からの質問に答える立場にはなかった」かも知れませんが、教学を代表する学長の候補となった現在、教員の信頼を得るためにも、教員からの質問に真摯に答えることが必要であると考えます。

2.布施教授はコース等検討プロジェクト部会の座長として、コースの内容、授業カリキュラムの決定について、責任ある立場であったと思います。改めて、なぜ、数理科学の専攻を廃止したかについて、その理由を説明してください。
もっとも入試倍率が高く、近隣に競合する学科を持つ大学も少ない数理科学を廃止したことは、合理的な説明が出来ないと私たちは考えています。

3.私たちは、これからの大学を魅力あるものとすること、経営的にも有利にすることのためにも、数理科学の専攻を復活することが必要と考えています。このことについて、どのようにお考えになっていますか。

4.布施氏は、2003年5月に「改革推進有志の会」について記者会見をしていますが、この会はどのような活動をされたのか教えてください。学内での活動がまったく知られていませんので、横浜市に迎合するために急遽結成されただけであって実態のない会であったのではないかという疑念を払拭するためにも、主な活動だけで結構ですので、お知らせ頂きたく思います。

以上


投稿者 管理者 : 2005年11月29日 00:01

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