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2005年11月17日

横浜市立大学、学長選挙 所信表明会

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ∟●最新日誌

11月16日(1) 昨日夕方6時半から焼く1時間、二人の学長候補者による所信表明会があった。われわれ一般教員は選挙権者でもなく、誰が正式に候補者になっているかも噂でしか知らず、所信表明演説会の場ではじめて現学長ストロナク氏と副学長布施氏が候補に選ばれたことを確認した。

 大学HPの教職員用のHPに二人の所信表明演説が掲載されているということは耳にしたが、2回ほど大学HPにアクセスしてみたが、発見するに至らなかった。明確に大々的に誰にでも分かるようにはなっていないというのが実態のように思われる。知りたいものだけがが知ればいい、ということなのだろうか。

 両氏は経営審議会と教育研究審議会によって候補として選ばれたということであった。

 だが、経営審議会と教育研究審議会のメンバーは、誰が選び任命したか?大学の教学(教育研究)の代表としての真の意味での正統性は、どうなるのであろうか? 憲法(芦部憲法の解説)に照らして、はたしてこれは妥当なやり方だろうか?

 ともあれ、経営審議会と教育研究審議会によって候補として選ばれる以上、想定内の所信表明演説、と感じられた。中期目標、中期計画にどこまで学内の総力が結集されたかという点で問題があると思われるが、その根本を抜きにすれば、「決められた中期目標に従う」「それ以外はありえない」というスタンスは当然のこととなろう。

 任期制や年俸制というもっともクリティカルな論点には、二人の候補者とも直接の言及は一切しなかった。どうとでも受け取れるような実に抽象的な表現でその周辺事情に言及するというのが率直な印象であった。一般の教員、とくに助教授以下(准教授、助手)の多くの教員の気持ちは、就業規則に書かれた「任期制」で重い空気に包まれていると思われる-少なくとも文科系教員の多くは、そして若手の多くは-が、その肝心な点は問題とされなかった。教学の見地、教育研究の担い手の処遇は大学の発展の根幹にかかわり、教学の代表としての学長が経営サイドに見識を示してしかるべき是正を求めていくべき問題だと思われるが、そのスタンスは、私には感じられなかった。

会の進行:

 会場からの質疑とその応答、そして候補者相互の議論なども、一切ない(許さない)、ただ候補が所信を表明するだけ、ということで執り行われた。

参加者数とその構成などについて:

 6時半直前、学内アナウンスで所信表明演説会の案内(参加を呼びかける内容)が放送された。会場に入るとき、アイウエオ順で教員の一覧表が置かれており、職員が会場にはいるものに対して氏名欄に赤丸チェックを入れるように求めていた(私が見たのは教員のリストだけだったから、職員に関するチェックを行ったかどうかはわからない。行っていないとすれば、教員あるいは学生・院生・その他だけをチェックするシステムか?)。だから、正確な数は、事務当局はつかんでいることであろう。わたしのみるところ、会場にいたのは目算で総数50名ほどであった[1]。この中に選考委員会関係者や選考委員10名ほどが含まれている。

 しかし、発言権・選挙権のない教員の姿は、当然のこと、必然のこととはいえ、実にまばらであった。K,M,H,N,O,N,W,K,O,N,Z,U,K,Fなど私でも顔を存じ上げている(いろいろな意味で有名人である)教員諸氏15名ほどを確認できた。木原研究所、鶴見キャンパスの教員、さらに医学部などの教員で私の知らない人が参加していた可能性はある。しかし、事務当局管理職・経営サイドの人々が圧倒的(会場前方に陣取る)というのが率直な印象であった(例外もあるが)。夕方6時半以降の開催であり、残業命令・残業手当などの問題が発生しない事務管理職、事務局管理者が圧倒的多数、と。この参加者のあり方(構成)が、すべてのプロセスの性格を物語っているように感じられた。教員組合は候補者あてに質問状も出しているので、それとの関連で、いずれ、教員組合からは正式な報道とコメントがなされるのであろうと期待している。

[関連情報]
横浜市大新聞 ニュースブログ「学長選考 2候補が所信表明」(2005年11月16日)

投稿者 管理者 : 2005年11月17日 00:30

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