個別エントリー別

« 低評価の教員に注意、指導 富山県立大が中期的に業績審査 | メイン | 全大教、「『科学技術に関する基本政策について』に対する答申案」への意見書 »

2005年12月13日

日本学術会議、第三期科学技術基本計画の策定に向けた会長談話

日本学術会議
 ∟●第三期科学技術基本計画の策定に向けた会長談話

第三期科学技術基本計画の策定に向けた会長談話

日本学術会議は、第三期科学技術基本計画の策定に向け、本年4月に「日本の科学技術政策の要諦」(以下「要諦」)をとりまとめて公表した。同計画の策定作業が最終局面を迎え、その重要性に鑑み、科学者コミュニティを代表する日本学術会議の同計画に関する意見を以下のとおり表明する。

1.日本学術会議は、「要諦」において、21世紀の地球共通課題は、地球環境劣化、南北格差拡大、人口増加であり、人類社会の持続可能性であることを指摘した。日本学術会議は、このような問題意識を基に長期的かつ学際的な観点から、総合科学技術会議とともに、国内外社会の科学技術への期待に応えるべく、積極的な役割を果たしていく所存である。

2.「要諦」において、21世紀の国家ビジョンとして重要なことは、「品格ある国家」の実現と「アジアの信頼」の再構築であり、その目標ミッションとして「環境と経済の両立のための科学技術政策」を示した。科学技術はこのような国家ビジョンや目標ミッションを実現するための将来への投資である。資源に乏しいわが国が今日のように発展をしているのは、人材育成や科学技術に力を注いで来たためであり、今後も発展を維持していくためにはこのような投資が必要である。第三期科学技術基本計画は、こうしたミッションを5年間で具現化する戦略であり、そのアウトカムの実現のため、政府の研究開発の戦略的方針が、その投資額とともに示されることが望ましい。

3.また、現在検討されている「科学技術に関する基本政策について」に対する答申案においては、社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術を目指すとともに、科学技術システムの改革についてモノから人へと人材育成の重要性が指摘されている。「要諦」にも記されているように、人材育成は国家の根幹であり、世界の動向を理解し、自分で考え、実践する人間を育てるため、主要な大学及び研究機関にあっては、教育と情報交換のかなりの部分を国際的に使用されている言語である英語で行い、世界の学生、研究者、教員に開かれた魅力ある存在になるべきである。

平成17年12月5日
日本学術会議会長 黒川 清

投稿者 管理者 : 2005年12月13日 00:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi4/mt/mt-tb.cgi/914

コメント