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2006年01月23日

立命館アジア太平洋大学常勤講師解雇問題、APU分会「争議行為通告書」

大分地域労働組合APU分会
 ∟●争議行為通告書

立命館アジア太平洋大学
学長 モンテ カセム 殿

大分地域労働組合
闘争委員長 池本 和之

争議行為通告書

 私たち大分地域労働組合は、大学当局と常勤講師に対する06年3月末をもっての解雇通告問題で、昨年の8月27日以来、4回にわたって団体交渉を重ねてきた。

 これらの交渉のなかで、私たちは、常勤講師が開学前に大学当局の、「4年後も契約を継続できるが、条件・待遇は変わらない。どうぞ定年までいて下さい」と説明を受けた事実、そして常勤講師がその説明を受けて、「継続雇用」ができることを確信して、それぞれの退路を断って、APUに今後の人生をかけ、骨を埋める気概をもって着任した心情も明らかにしてきた。

 解雇通告問題の解決の前提は、大学当局がこの事実を認め、この事実に向き合うことにあるにも関らず、大学当局のこれまでの対応は、「継続雇用説明」の事実を認めない不誠実な態度に終始している状況にある。

 大学当局がこの事実に目をそむけ、「有期雇用」に固執して常勤講師の継続雇用を拒否する立場は、教育・研究の場であり、「自由・平和・ヒューマニズム」を基本理念に掲げる大学として、許しがたい態度としか言いようがない。

 私たち大分地域労働組合は、大学当局が問題解決の誠実な話合いに応ずること、並びに常勤講師の継続雇用を実現するために、スト権を確立し闘争体制に入ったことを通告する。
以 上

闘争指令 第0号
指令先 APU分会全組合員

大分地域労働組合
闘争委員長 池本 和之 

 全組合員は、「常勤講師の継続雇用」実現のため、闘争体制に万全を期し、闘争委員長の指示を待機せよ。

闘争指令 第1号
指令先 APU分会全組合員
大分地域労働組合
闘争委員長 池本 和之

 全組合員は、00年0月0日の午前0時より終日、就労を拒否して闘争委員長の指示に従え。

立命館アジア太平洋大学、「定年まで」と言ったのに解雇通告

「定年まで」と言ったのに解雇通告

 〝大学の教員も安上がりの不安定雇用″-。小泉「構造改革」のもとで急速にすすむ有期雇用の流れは、大学にまで浸透しています。大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)の教員たちが解雇を許さないと立ち上がっています。(内野健太郎)

 JR別府駅からバスに揺られ約四十分。〝湯の町″別府を一望できる丘陵にしょうしゃなキャンパスが見えてきました。二〇〇〇年に関学し、学生約四千人のうち、半数近くの千八百人が海外からの留学生。英語と日本語で授業をしています。
 大学側は、日本語・英語教育を支えている常勤講師四人に0六年三月末での解雇を通告。開学前には教員の確保のため、任用期間は四年とした常勤講師に「契約は継続できる」「どうぞ定年までいてください」と言明してきました。ところが大学運営が軌道に乗った昨年、常勤講師を順次辞めさせ、新たに嘱託講師と上級講師を募集すると態度を変えました。
 嘱託講師は一年契約、契約更新は二回までという有期雇用。週十二コマ(一コマは九十五分)の授業を受け持ちますが、常勤講師と比べて賃金は六割程度です。住宅手当も、研究費も研究室もない、大学にとって〝安上がり″の教員です。嘱託講師を〝束ねる役目″が上級講師だといいます。

 次々と加入
 「『四年後はない』と聞いていれば、着任していなかった」と常勤講師たち。他の大学で定年まで働ける専任教員だった人や他大学に就職が可能だった人が「この大学で教え、生涯をかけよう」と集まってきました。
 大学側が「個人と話し合いに応じない」と突っぱねたため、常勤講師たちは大分県労連(全労連加盟)に相談し、「労働阻合をつくって交渉しよう」と大分地域労組APU分会を結成。「人ごとではない」と他の常勤講師も次々加入しました。
 日本語の教員は、ひらがなの勉強から始める留学生を日本語で授業が受けられるレベルに引き上げる役割を担っています。常勤講師は週十コマの授業をこなし、授業後に毎日三、四時間のミーティングをし、有志で教科書をつくり、教材に工夫を重ねてきました。
 「日に日に日本語がうまくなっていくのを見るのが-番うれしい」「日本企業に就職した卒業生からお礼の手紙が来たとき、教員になってよかった」と常勤講師たち。
 授業だけでなく、留学生の悩みや日本での生活について相談に乗ってきました。研究室もない嘱託講師になったら、留学生はどこへ相談にいくのかと心を痛めています。
 同分会は、大学側と四回の団体交渉を実施。地域の団体・著名人に継続雇用を求める署名を呼びかけています。「大学でおきていることを市民に知ってもらおう」と市民の集いを開きました。
 大学誘致のために市有地約四十二ヘクタールを無償提供し、総工費二百六十億円のうち県が百五十億円、市が四十二億円を助成しました。大学の行方を市民も注目しています。

 激励メール
 同分会には多くの激励のメールが寄せられています。「人を使い捨てするようでは、『質』の高い大学とはとてもいえない」と娘が大学に遭うという父親。「日本語が自由に書ける、読める、話せるようになりました」と留学生。「先生たちがいなかったら、今の私もいない。絶対あきらめないよう頑張って下さい」
 常勤講師たちのたたかいに大分地域労組全体で全力をあげています。ニ000年に結成し、翌年に労働相談センターも設置、年二百件近い労働相談に応じています。
 最近も、製造業の会社で五十五歳以上の賃金を二割カットする計画が持ち上がり、三人が相談に。地域労組に加入してもらい、「みんなの問題だから」と五十五歳以上の当事者全員に加入を呼びかけるとともに、会社と交渉。制度改悪は阻止できませんでしたが、不払いになっていた一時金三回分を払わせました。
 笠村伸一書記長は「パートや派遣、請負と無権利で低賃金の仲間の使い捨ては断じて許せない。一人ひとりの要求を大切にし、地域から泣き寝入りする労働者をつくらないため、地域労組がいまこそ出番だと実感しています」と語ります。


投稿者 管理者 : 2006年01月23日 00:13

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