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2006年01月02日

早稲田大学、ビラをまいただけで逮捕!

■「意見広告の会」ニュース318

3-1 早稲田大学でビラをまいただけで逮捕!
 朝日新聞朝刊12月29日
■早大でビラまき逮捕 建造物侵入容疑で

 早稲田大のキャンパスでビラをまいていたアルバイトの男性(22)が建造物侵入の疑いで逮捕、勾留(こうりゅう)されていたことがわかった。東京地裁で28日、勾留理由開示の法廷が開かれ、坂田正史裁判官は「証拠を隠滅する可能性がある」などと勾留の理由を述べた。

 警視庁の調べなどによると、男性は20日昼、東京都新宿区の文学部がある戸山キャンパスで、学生会館移転問題に絡むビラをまいた。学校側がキャンパスの外に出るように求めたが従わなかったため身柄確保(私人による逮捕)をし、警察に通報して引き渡した。調べに対し、男性は黙秘しているという。

 男性の弁護人は「大学当局による政治的な弾圧だ。罪証隠滅のおそれも逃亡のおそれもない」と即時釈放を求めた。

 早大などによると、今回のビラは、01年に学生会館が移転する際、繰り返し反対運動をしていた大学OBら3人を構内への立ち入り禁止とした処分の撤回などを求める内容だった。大学側は今月に入り、再三にわたり注意をしていたという。早大広報室は「学生証の提示を求めたが応じなかった。不審者として通報した」としている。

3-2 早稲田大学でビラをまいただけで逮捕!
  [he-forum 9616]より
東大学生の石田せいいちろうさんの投稿を転送します。
(出典 全国連絡会ML.転送歓迎とのことです)
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わたしの友人の一人が、早稲田大学構内でビラを撒いたことだけを理由に、不当逮捕され、さらに10日間の勾留延長もなされて、今も拘置所に拘束されています。短くとも31日まで、悪ければ二度目の勾留延長がつけられて年明けの10日までは拘留され続けてしまいかねない状況です。さらに、「大学構内のビラまきだけで逮捕」というのは前代未聞で、起訴されて、さらに拘束され続ける可能性も否定しきれません。彼の一日も早い釈放を勝ち取るため、この事実をみなさんにも知ってもらいたいと思い、メールを流しました。また、日本全体の言論の自由にかかわる社会的な事件だと思います。みなさんのご注目をお願いします。また多くの人にこの事実を伝えてください。

わたし自身は、28日に行われた「勾留理由開示公判(※)」の傍聴で、この事件の概略を知りました。そこで、裁判官が示した逮捕の理由は、「職員が注意したにもかかわらず、早稲田大学文学部キャンパスでビラを撒いたことが『建造物侵入』に当たる」ことのみでした。つまり、キャンパスに入ったことだけを罪としている(建物に入っていなくても『建造物侵入』!)ということです。

 ※日本の警察・検察システムでは、罪が確定していないにもかかわらず検察が要求すれば最大23日間、無罪でも拘置所に人を拘束できる人権無視の「代用監獄制度」がある。裁判所がその認可を出すことになっているが、たいていの場合は、そのまま検察の言い分を認めてしまう。(99%は認められるらしい)ただ、法律上は、裁判所は勾留を認めた理由を説明しなければならないため、要求すれば「勾留理由開示公判」が開催される。

最も言論の自由が保障されているはずの大学において、これがまかり通ってしまえば、日本国内における言論の自由は完全に奪われてしまうと言っても過言ではありません。救対は、事件の重大性から署名活動を行う予定にしており、最新情報は、「早稲田大学一号館地下管理運営委員会」のホームページに掲載されていく予定とのことです。現時点ではカンパの要請のみがなされています。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/9559/
また、事件の経過についても、このホームページに掲載されています。

この事件は、今の大学再編による大学の変質を象徴するものであり、さらにホームページにも〈安藤文人文学部教員は「高裁判決見ただろう?」と立川ビラ撒き不当逮捕に対する反動高裁判決を例にとって露骨な脅しをかけてきていました。〉と経過が報告されているように、立川自衛隊監視テント村のビラまきに対する不当判決に我が意を得た悪質な教員による政治弾圧でもあります。

法廷に姿を現した被逮捕者本人は、言葉少なで本人の意見陳述の時には「みんなに会えてうれしい。来てくれてありがとう。」と一言だけ話しました。彼は、いわゆる活動家的な感じの人ではなくて、普段は映画作りなどの表現活動をしています。警察は、あらゆる手段を使って、彼を仲間から切り離し、情報を聞き出そうとしているようですが、彼は黙秘を貫いて闘っています。

公判の時の法廷の警備は厳しく、「ナンセンス」「がんばれ」と言った人はすぐに警備員に退去させられてしまいました。弁護士や本人の発言への拍手に対しても、裁判官は「退去させますよ」と脅しをかけてきました。

本当に本当に悔しくてたまりません。まさに、日本国内のファシズムの進行を象徴する事件です。この状況はなんとしても変えていかなくてはいけません。今後の行動がさらに具体化したら、また続報をお知らせします。事件への注目をお願いいたします。

3-3 続報
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東大の石田です。
昨日、早稲田大で友人がビラを撒いただけで逮捕されてしまったことをお知らせいたしましたが、昨日中にその友人を釈放させることができました。みなさんのご協力とご注目どうもありがとうございました。

勾留理由開示公判を、朝日新聞の記者の方が熱心に取材してくれて、見出しつきの大きな記事にしてくれたことで社会的にもこの事件が知られるようになり、早稲田大学当局も、その広がりを無視しきれなくなったことも早期釈放に繋がったのだとと思います。その記事は、asahi.comから転載し、このメールの最後につけておきます。
(今見たら、この記事が29日のアクセス数第四位になっていました。)

被弾圧者を釈放させたとは言え、「大学構内でビラを撒いただけで逮捕される」という事態を決して許すことなく、学問の自由、言論の自由、表現の自由を守るためにも、今後も早稲田大学当局や、現在急速に進行している大学再編への追及を続けていきたいと思います。当該団体では、すでにこの問題についての署名活動を始めているようなので、一般向けに呼びかけが出されたら、またご連絡します。

また、わたしの流したメールを見た弁護士の方から「代用監獄制度」や「勾留」について、誤りが指摘されました。逮捕・勾留の不当性が変わるわけではありませんが、「代用監獄制度」の問題は、「拘置所」ではなく、起訴されて罪状が確定するまでの期間に警察の「留置所」に入れられてしまうことが問題で、23日間の勾留自体は「『代用監獄制度』だから問題ということではない」とのことです。不勉強をお詫びして訂正いたします。


投稿者 管理者 : 2006年01月02日 00:25

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