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2006年01月25日

立命館理事長川本八郎宛てに抗議文を送付

■私大教連おおさか、第26号(2005年12月20日)

がんばれ立命館教職員! 一時金削減と研究推進手当押しつけでストライキ決行

 立命館大学理事会は、二〇〇五年春闘において前代未聞の一時金一ケ月分カットをはじめとして、教職員の処遇に格差を持ち込む研究推進手当ての回答など、これまでの大学改革業務に奮闘してきた教職員に対する評価を一切示すことなく、独善的で強圧的な姿勢を際立たせていました。
 これに対して組合は、「回答」 の撤回を求めて教職員から一二〇〇筆をこえる署名を集めるとともに、全教授団、全職場での反対決議、二四年ぶりに開催した団体交渉には六〇〇名をこえる教職員が参加するなど歴史的闘いを進めてきました。
 理事会は、特に教授会などで強い批判を浴びた研究推進手当て「回答」 にかんして、学内にも優秀な研究実績があることを認めざるをえなくなる中で、全面的な修正を余儀なくされました。その中で理工学部では、未組合員の呼びかけに多くの教員が応えて教授会の正式開催を学部長に要求し、教授会として研究推進手当ての実施に反対する決議をあげるという取り組みも生まれました。

ニ、秋闘における取り組み状況

 立命館では一〇月三一日に第三回団体交渉、一一月一七日に第四回団体交渉、そして一一月二四日には第五回団体交渉を開催し、一時金カットをはじめとした「回答」 の撤回を求めて交渉してきました。第三回団体交渉では、目白押しの大型プロジェクトを推進しても財政に影響はないという理事会の発言を受けて、書記長が「財政危機でもないのに何故一ケ月の賃金カットなのか。賃金をカットして教職員のモチベーションを維持できるのか」との追及に対して、「体力があるときに賃金カットをおこなう。立命館の賃金は京大などと比べて高い」とこれまでの回答を繰り返すに留まりました。また、立命館より賃金水準の高い他私大での上積み回答の提示、もしくは現行通りとしている状況を指摘すると「他所がどうであれ、うちは一ケ月カットする」 (総長) とあくまで一時金カットに固執する姿勢を示しました。第四回団体交渉では、理事長・総長がその理由すら明らかにせずに交渉を直前になって欠席するという異常事態まで発生し、理事会に対する教職員の不満と怒りは頂点に達しました。
 そして第五回団体交渉では、「回答」を「理事会責任で実施する」と理事長が発言し、事実上の交渉打ち切り宣言をしました。これに対して組合は、翌日に全学園一斉ストライキを実施する判断をおこない、立命館大学では緊急集会を開催しました。集会には、衣笠とびわこ草津の両キャンパスで四〇〇名をこえる教職員と学生・院生二〇〇〇名余りが参加する下でストライキを決行し、全構成員自治を守り、学園の民主主義を取り戻す闘いを力強く進めていく決意を固めあいました。

三、社会の「信頼と尊敬」を集める大学づくりを目指して

  高等教育、とりわけ私学環境をめぐつては、労使の立場の違いを越えて、その厳しい環境についての情勢認識を共有することは必要であり可能なことです。ますます激化する競争的環境や文科省すら認めざるを得ない限界点に達しょうとする高学費水準の問題や就職進路の困難性など、議論を尽くすべき諸課題が山積しています。多様化する学生実態に対応する有効かつ適切な教育プログラムの開発や、導入期教育、キャリア教育の前進など、学生の「学びと成長」を確かなものにする取り組みはより一層その重要性を増しているといえます。
 また、いかに競争的環境が厳しくなっても、教育現場においては、それぞれが個性をもち、それを補完し合う形で全体として社会の発展に寄与しうる 「教育力」 「研究力」ある大学として存在することが大きな課題としてあります。現在のように厳しい競争環境の下で、あえて教職員のモチベーションを大きく下げる「賃金カット」 の実施が緊急の課題ではないはずです。立命館での一時金カット撤回は、全国の私大組合にとっても非常に大きな意味を持っています。仮にこのような、理事会の一方的な判断でまかり通るような状況を許せば、来年度以降、各大学における教職員の賃金・労働諸条件をめぐる問題や民主的な大学運営のあり様に多大な影響を与えることは必至です。そのことの重大な意味を各地区、各単組の組合員の皆様にも改めて受け止めていただき、引き続き立命館大学教職員組合に対する支援をお願いするものです。
 私たち教職員組合は、国際的な流れに反する動きを深めているわが国の貧困な文教政策に根本から対峠し、平和と民主主義に立脚した真に国民・市民に開かれた社会の 「信頼と尊敬」を集める大学づくりを目指す必要があります。京滋私大教連としては、学生・父母、社会に支持を得た魅力ある大学づくりを進めるために、一人ひとりの教職員が決意を固め合う運動を展開したいと考えています。
 (文責 京滋私大教連書記局)

 大阪私大教連は11月25日付けで、立命館大学教職員へ激励メッセージを送付すると共に、立命館理事長川本八郎宛てに抗議文を送付しました。


投稿者 管理者 : 2006年01月25日 00:01

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