個別エントリー別

« 福岡市、サイバー大学設置に向け特区申請へ | メイン | 厚生労働省、「今後の労働時間制度に関する研究会」報告書について »

2006年01月31日

生徒への「日の丸・君が代」強制を一層強化する「通達」に反対し、教育長答弁の撤回を求めることを呼びかける

俵のホームページ
 ∟●生徒への「日の丸・君が代」強制を一層強化する「通達」に反対し、教育長答弁の撤回を求めることを呼びかける

【アピール】
生徒への「日の丸・君が代」強制を一層強化する「通達」に反対し、教育長答弁の撤回を求めることを呼びかける

 昨年12月8日の都議会本会議一般質問で、生徒への指導を通達として出すよう要求した自民党議員の質問に対して、中村正彦教育長は、「校長が教職員に対しまして学習指導要領に基づいて適正に生徒を指導するよう、校長連絡会等において一層周知徹底する」方針を再確認し、「卒業式等において学級の生徒の多くが起立しないという事態が起こった場合には、その後、他の学校の卒業式等において同様の事態が発生するのを防止するため、生徒を適正に指導する旨の通達を速やかに発出いたします」と回答しました。
 この質問は、生徒の自主的判断に基づく行動を「問題視」し、生徒の思想・良心の自由を踏みにじるものです。すでに都教委は、2004年3月11日に、HRや入学式・卒業式等の予行等で「生徒に不起立を促すなどの不適切な指導」を禁止する)「入学式・卒業式の適正な実施について(通知)」を出していますが、今回の質問は、「通知」を校長への命令である「通達」に“格上げ”し、教職員に「指導」を強めさせ、生徒の自主的判断、行動を力づくで押さえ込もうとするものです。これまで、生徒指導に関わって、多数の教職員、管理職を「不適切な指導」などとして、「厳重注意」「注意」「指導」の「処分」を行ってきましたが、「通達の発出」の“脅かし”により、「適正に生徒を指導する」ことを求める「新職務命令」と合わせて、生徒への強制を強めようとするものです。
 先頃発表された、東京都高等学校教職員組合の「『日の丸・君が代』黒書?思想・良心の自由を守り生徒・教職員への強制を許さない」では、都教委の「10.23通達」以降の「日の丸・君が代」の強制で、如何に教育現場が疲弊し、教育活動が阻害されているかが明らかにされています。これまでの私たちや都民の要請に対しては、「回答せず」としながら、東京都教育委員会が一部都議の質問に迎合し、生徒指導での「厳重注意」、「新職務命令」などに続き、「通達」で生徒への強制を強めようとすることは、一層教育現場に困難をもたらす、教育行政の「不当な支配」に他なりません。
 私たちは、03年10月の「10.23通達」に続いて、04年9月の校長連絡会で都教委が、生徒への「日の丸・君が代」強制を教員に義務づける職務命令を出すよう口頭で指示したことに大変な危惧をいだき、急遽04年10月1日付けで「生徒の『内心の自由』を押しつぶしてはならない!?東京都教育委員会のあらたな『日の丸・君が代』強制への反対を呼びかけるアピール」を出しました。そして、12月9日に、800名を越える賛同者一覧とともに、生徒への強制反対、「10.23通達」とそれに基づく、不当な処分を撤回することなどの申し入れを行いました。しかし、都教委がその方針を変えない中で、私たちは、一刻の猶予もならないと考え、卒業式の始まる前の昨年2月16日、東京都教育委員会に緊急要請を行い、要請に対する速やかな回答を迫りましたが、都教委は回答を拒んできています。
 私たちはあらためて、生徒への「日の丸・君が代」強制への動きを強めようとする都教委に下記の内容を要求するとともに、広く都民の皆さんに、同様の要請を行ってくださるよう呼びかけるものです。


1.昨年12月8日の生徒指導の「通達」に言及した教育長答弁ならびに生徒への「日の丸・君が代」強制を教員に義務づける職務命令を出すように求めた04年9月の指示を撤回すること。
2.卒業式・入学式などでの生徒の「内心の自由」について、東京都教育委員会の責任で周知徹底させること。
3.「10.23通達」「実施指針」と、それに基づく不当な処分を撤回すること。

2006年1月27日
勝野 正章(東京大学) 小森 陽一(東京大学) 斎藤 貴男(ジャーナリスト)
俵 義文(立正大学)  成嶋 隆(新潟大学)  西原 博史(早稲田大学)

要請先
〒163-8001 東京都新宿区西新宿2?8?1
東京都教育委員会 教育長 中 村 正 彦 様


投稿者 管理者 : 2006年01月31日 00:07

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi4/mt/mt-tb.cgi/1165

コメント