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2006年04月07日

東京大学職員組合、「給与構造・退職手当制度の見直し」に対する異議申し立て

東京大学職員組合
 ∟●「給与構造・退職手当制度の見直し」に対する異議申し立て

「給与構造・退職手当制度の見直し」に対する異議申し立て

 東京大学役員会は、国家公務員の給与体系を引き写しただけの「給与構造・退職手当制度の見直し」を教職員に適用する事を決定した。

 東京大学職員組合は2006年2月10日に「給与・退職手当制度の見直し等に伴う改正」に関する団体交渉を申し入れ、本改定案に反対し大学側と団体交渉を行って来た。大学側が、正式な改定案を示したのは申し入れから約1ヶ月後の3月7日であり、十分な検討時間を確保できなかったことは、遺憾である。この間、大学側は組合や過半数代表からの要求に応え「就業規則の説明会」を各事業場で開催してきたが、その場で出された質問や意見に対し十分に答えていないし、合意も得られていない。

 理事は、3月24日に開かれた組合と大学側との団体交渉で、今回の改定は教職員にとって不利益である事を認めた。不利益変更を行う場合は最高裁判決などで高度の必要性に基づく合理的な根拠を示さなければならないとされているが、大学側は財政的な理由も示さず、単に「閣議決定」を唯一の根拠としてあげるだけであった。合理性のない根拠の押し付けは違法性が高く、同時に教職員の待遇は組合と大学側の交渉で決定するという労働基準法にも反する。加えて、大学の自主性を発揮するとした法人法の精神からも認められないし、「給与法の体系によらず柔軟に処遇できる」とした法人法案審議における遠山文科大臣の答弁とも矛盾するものである。

 給与構造の見直しは、中高年層の基本給を最大7%も引き下げ、現給保障の措置がとられるとしても、45歳一般職員では7年間も基本給が据え置かれ、48歳以上の教授は定年まで据え置かれる。業務量が増大する一方で賃金が切り下げられるならば、多くの教職員の士気の低下は免れない。

 東京大学に働く教職員は日本のあらゆる地域で教育研究の発展のために尽くしており、遠隔地であろうが都市部であろうがその使命は変わらない。給与レベルを平均4.8%下げ、その上、勤務地の違いによる地域手当の差別を行うべきではない。たまたま勤務した地域の民間賃金に給与を合わせ格差がつく仕組みの地域手当の考え方は大学になじまない。

「新たな評価制度」は、人事院の評価制度を引き写したにすぎない。この制度の機械的適用は「業務の効率的・効果的遂行」とは逆に教職員間の疑心暗鬼や足の引張り合いを招き、他方で「評価」のための業務量の増大を招きかねず、拙速な適用はすべきではない。


 退職手当制度の見直しにより大学の教職員は、一般職8級相当以上の職員は退職金が増え、それ以下は減額される。一方、国家公務員本省庁職員の多くは行政職(一)8級以上の退職であるので増額する。このように大学が不利になる制度を当てはめるべきではない。

 今回の「給与構造・退職手当制度の見直し」は、以上のような一方的な不利益変更であり、明4月1日からの実施に反対する。

2006年3月31日
東京大学総長 殿

東京大学職員組合
執行委員長 空閑重則

理事、4/1賃下げ強行に回答終始、交渉は平行線

投稿者 管理者 : 2006年04月07日 00:01

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