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2006年04月14日

横浜市立大学、評価制度の実施 教員組合と協議するつもりはない

横浜市立大学教員組合
 ∟●教員組合週報(2006.4.13)

団交に応じないまま、当局は2006年度賃金の実質切り下げ、および評価制度の2007年度処遇への反映の意向を表明

先にお知らせいたしましたように、事態の重大性と緊急性に鑑み、教員組合は4月4日付申入書を当局に手交するとともに、教員組合声明を発表しいたしました。
こうしたことの背景には、団体交渉に関する直近の折衝の過程で、当局側が、2006年度賃金を「凍結」する、および評価制度を2007度の処遇へ反映させるという、看過しがたい重大なかつ不当な意向を示してきたためです。
そこで、最近の団体交渉申し入れをめぐる経過を以下にお知らせいたします。

●団交申し入れ経過報告
 先に発行した週報などでもお知らせしていますように、教員組合は当局に対して2月27日に団体交渉を申し入れ、3月9日には同日付申入書を手交しました。しかし当局は、検討中、調整中などの言い訳を繰り返しているため、団交実施の日程を確定できない状況が続いています。これに対し、教員組合は再度にわたって折衝を試みながら、団体交渉の早期実現を求めてきました。
 こうした中で3月30日、団交に関する当局の意向をさらに質したところ、ようやく日程に関する回答を伝えてきましたが、その回答は、「団交の日程を4月中を目途に調整したいが、4月半ばまで実施はできない、来週改めて連絡する」とのもので、なおも団交実施に関し消極的な姿勢をとり続けています。こうした当局の対応姿勢は、極めて不誠実かつ違法なものであります。
 しかも先に触れた折衝の過程で、当局は極めて重大かつ違法ないくつかの考えを示してきました。
 第一に、平成18(2006)年度賃金(年俸)に関する問題です。当局は、平成18年度の年俸算定については、平成17年度におこなったような定期昇給分の加算は考えていない旨を伝えてきました(賃金の「凍結」)。これは、組合側との交渉なしに一方的に実質的な賃金切り下げ=労働条件の悪化を強行しようとする違法な行為です。また、我々教員が日々教育研究に努めてきていることに対する何らの配慮をおこなわないという姿勢であり、当局がこれまで盛んに述べてきた、教員のやる気を引き出す方策とは全く正反対のものと言わざるをえません。したがって教員組合は当局に対し、平成18年度賃金においても、少なくとも「定期昇給分確保」を求めていきます。
 第二に当局は、平成18年度から評価制度を実施し、その結果を平成19年度の処遇に反映させる(平成19年度の年俸算定の根拠にする)意向を示してきました。ただし、評価制度の具体的な内容は明らかにしていません。さらに評価制度に関して当局は、「実施にあたり説明はおこなうが、教員組合と協議するつもりはない」との考えも明らかにしています。これまでの様々な機会で伝えられてきた当局側の意向は、「平成18年度から評価制度を実施したいが、それは当面試行的なものである(すなわち、処遇には反映させない)」との趣旨のものでありました。したがって、今回示してきた当局の考え方は、それをさらに大きく越える重大なものと言えます。
 まずそもそも、専門分野も大きく異なり、具体的な職務内容も個々に大きく異なる各教員に対する評価を「透明性・公平性・公正性」を担保しながら適切に実施することは、極めて大きな困難さと労力を伴うものであること、また仮に評価制度を導入する場合でも、実態を踏まえた十分な検討を経た上でその方法を定めていく必要があり、したがってしかるべき準備・検討なしに軽々に実施に踏み切ることは、今後の大学運営に大きな弊害をもたらす危険が極めて高いものです。さらに、評価制度実施は労働条件に関する重大な変更であり、教員組合との協議を拒否する当局の姿勢は違法なものです。
 以上のような点を踏まえながら教員組合は、評価制度を安易に実施しないこと、仮に導入する場合でも、組合との十分な協議なども含め、まずはしかるべき準備・検討をおこなうことを、当局に要求していきます。
 さて、当組合は事態の重大性・緊急性に鑑み、4月4日、改めて申入書(後掲添付)を当局に手交し、団体交渉の早期実施を求めました。 教員組合は、これまでお知らせしてきた教員昇任人事問題も含め、これらの問題点を質すべく、近く実施されるはずの団体交渉に臨んでいくことにいたします。……


投稿者 管理者 : 2006年04月14日 00:19

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