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2006年05月29日

立命館大学における多様な雇用形態、労働者の使い捨てと分断

ゼネラルユニオン 立命館大学支部
 ∟●職場の人権研究会 レジメ(5月28日)
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ある私立大学の雇用差別と労働強化-使い捨てられる大学教職員-

ゼネラルユニオン 遠藤礼子

1. 立命館での「多様な雇用形態」= 労働者の使い捨てと分断

学校法人立命館には,期限のない「正規」「終身雇用」の教員と職員は,あわせて約2000人いる.
一方,非正規の教職員は「非常勤講師」が約1000人,「常勤講師」と「嘱託講師」をあわせて約300人,「契約職員」約300人,「アルバイト職員」約100人,その他もろもろあわせて約2000人と,非正規と正規はほぼ同数である.

【専任教員・専任職員】
正社員に相当する部分.専任教員・専任職員を組織する教職員組合は05年のボーナス1ヶ月カット問題で,授業時間に10分間くいこむストライキを貫徹した.だがボーナスカットは押し切られたまま.

【任期制教員】
通常5年契約で,更新ありのものとなしのものがある.任期制教授,任期制助教授,任期制講師.

【常勤講師】
週10コマ担当でフルタイムの3年契約.ただし契約書は1年契約の2回更新という形式で,そのあとに,オマケでもう1年というのが慣習化していて,実質は4年契約.年収約650万円 (諸手当込み).ほぼ全員が外国人の語学教員.4年たてば自動的にクビ.2005年に制度廃止が決定.
*同じ「常」でも「常用」なら期限の定めのない,という意味だが,「常勤」はフルタイムの意味.

【常勤講師制度の歴史】
1988年「1年契約 更新可」 として開始.協定校からの派遣.常勤講師5名.
1991年「3年契約」に変更.応募対象を日本在住者にも拡大.3年契約は少なくとも1999年までは行われ,その後,「任用期間3年 (ただし,契約は日本国の労働基準法に基づき毎年締結する)」という形になった.
1997年常勤講師27名体制に.
2002年常勤講師47名体制に.嘱託講師制度開始.
2003年常勤講師33名体制に.
2005年常勤講師制度廃止決定.2005年度採用の常勤講師が4年目を迎える2008年度末にすべての常勤講師がいなくなる,というのが当局の目論見.

【嘱託講師】
週10コマ担当でフルタイムの5年契約.2002年開始.ただし契約書は1年契約の4回更新という形式.年収420万円.外国人が大半だが日本人も多い.この手の制度を日本人講師に本格的に適用する例は珍しい.語学教員.5年たてば自動的にクビ.

【非常勤講師】
コマ単位の1年契約で,通常一校で2~5コマ程度担当.あちこち掛け持ちして週10コマ担当しても,年収300万円.私学共済などへの加入を多くの大学が拒否しているため,その中から国民健康保険と国民年金を捻出.
年数の上限はないので「うまくいけば」何年でも働けるが,毎年コマ減や雇い止めの不安がある.

【契約職員】
フルタイムの3年契約.ただし契約書は1年契約の2回更新という形式.事務職員の多くがこの契約職員で,1年目は仕事がわからない,2年目に慣れてきても,3年目は「どうせ来年はここにはいない」.年収約230万円.3年たてば自動的にクビ.
この制度は多くの大学 (私立も国立も) が導入しており,3年ごとに大学を転々とする職員も多いという.

【アルバイト職員】
フルタイム (35時間) の十一ヶ月契約.八月は仕事も給料もない.更に2回更新までという年数制限さえついている.時給800円.フルタイムなのに社会保険なし=健康保険法,厚生年金保険法違反.

実際は,これ以外にもまだまだたくさんある.……


投稿者 管理者 : 2006年05月29日 00:01

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