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2006年07月27日

大阪芸術大学不当労働行為事件、新たな組合敵視事件が続々

大阪私大教連
 ∟●「私大教連おおさか」2006年7月20日(No.32) より転載

大阪芸術大学不当労働行為事件 新たな組合敵視事件が続々

〈不当配転・昇格差別事件の調査〉
 大阪府労働委員会へ救済申立をした不当配転、昇格差別事件の審問は6月12日に調査が行われ、組合側から申立てた府労委初の「証人等出頭命令申立」の成り行きに注目されましたが、本事件担当の片山久江公益委員は冒頭に「証人等出頭命令申立」に対し、公益委員の職権により理由は示さず塚本邦彦理事長への証人出頭命令は発しないとし、それに代わって新たに求釈明事項を労使双方に示しました。これにより8月9日に調査を行い、最終意見陳述は9月11日に行われることが決定しました。
 新たに出された求釈明では、今までの学院側の証言などから、不当人事を決めた常務会の内容について釈明を求めており、塚本理事長が主導する常務会なるものは学院が公表している組織機構にはまったく存在しないもので、この事件の核心部分であり府労委の究明に期待するものです。また申立後の団交、配転状況についても釈明を求めており、これは組合の団交要求のうち金額だけを一次回答しその他は一切拒否、その後の継続団交は理由なく打ち切って一方的支給しているという事実があり、学院の不当性が明らかになってきました。

〈組合掲示板撤去事件の調査〉
 不当にも無断撤去された組合掲示板事件の大阪府労委の第3回調査は5月24日に行われました。西村捷三公益委員から示された求釈明に対して提出された双方の書面のうち、不明な点を口頭で数項目示し、再び書面で提出するように指示がありました。
 掲示板撤去事件は学内メイン通路にあった掲示板を、大阪芸大ではバリアフリー対策と耐震構造化の改修工事のためとして外し、その跡には壁画を設置しました。また短大部の掲示板は一方的に無断で撤去し、いずれも講師控室内に勝手に組合掲示板を設置して「不利益は無いので、これで我慢して欲しい」と言っています。これは使用者による支配介入そのものです。これは組合掲示物がより多くの職員の目に触れるかどうかではなく,如何に外部から見えなくするかを図ったもので、組合への敵視施策以外の何ものでもありません。次回調査は7月24日に行われます。

〈不当配転後の研究費申請の拒否〉
 不当配転当事者である組合副委員長の教育研究補助費申請に対し、塚本邦彦教育研究補助費運営委員会委員長(理事長、学院長、学長兼任)は「不採択」として理由も明らかにせず拒否しました。長年継続している研究に対し、配転後は一切認めないという敵視事件が起きています。

〈またも恫喝の文書〉
 6月13日付塚本理事長名での学院から4項目の「申し入れ」が組合にあり、特に組合総会の内容を報じた教職員新聞の「塚本理事長の不透明な学長就任によって、経営と教学を一手に掌握したさらなる独善的な大学運営」との記載については、「学院に不利益となる不実の事項を流布宣伝し、名誉を毀損、信用を傷つける明らかな就業規則違反」ときめつけ、他の項目とも「以上の件について、貴組合の早急な対処とその解決を求める。さもなければ、貴組合との正常な運営を図ることは極めて困難であることを通告する。」と以前と変わらない不当労働行為体質をまたも顕にしています。
 組合は「教職員新聞は組合総会の内容を報じたもので、総会では学長就任について、選出過程や業績が不明である、任期も不明確である、また理事長と学長の兼務も良くない、などと組合員から意見が出た。新聞はそれを反映したものである。学院はまずは学長の選出が適正に行われ、学長たる業績のあることを教職員に公開していただきたい。
 前年度最後の教授会で、前学長は学長最後の挨拶として「後任の学長が決まるまで、塚本理事長が学長を兼任します」とだけ発言した。新年度になって塚本理事長が学長に就任した学院広報の記事があった。これだけでは教職員が組合総会において上記のような意見が出ることは当然である。労働組合の正当な言論活動に対し、言論で対応するのではなく、すぐ「就業規則違反」として懲戒処分をちらつかせてくる事が学院の常套手段となっている。これこそが不当労働行為であることを知るべきである。」という回答書を6月22日の団交席上で学院に渡しました。

〈組合との協議を避け労働代表を実質指名〉
 6月19日付の塚本邦彦理事長名で「就業規則の一部改定等について」の文書が教職員に配付されました。内容は「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)について」、及び「職員定年退職者再雇用規定」の新設と、これに伴う「就業規則改定」で、内容には特に大きな問題があるものではありませんでしたが、これについて組合との交渉を行わず、学院が教職員より一名を代表候補者の名前のみを挙げ、代表候補者の意見書はまったく公表されないまま賛否を問うという方法で就業規則の改定をはかってきました。これは実質指名にほかならず不当な方法です。これは以前に組合と協議も無いまま、「学院に不利益となる不実の事項を流布宣伝し、名誉を毀損、信用を傷つける」場合は懲戒処分、という条項を追加した就業規則改定の際にとられた方法で、この条項はそれ以後上記のようにもっぱら組合に対する恫喝に使われています。組合はこれに対して6月22日の春闘団交で抗議しましたが、6月29日学院はこれが労働基準監督署で受理された、として7月1日から発効する旨の文書を教職員に配付しました。

〈団体交渉席上で団体交渉拒否宣言〉
 6月22日に開かれた春闘団交では、相変わらず塚本邦彦理事長は欠席したまま、常務理事、大阪芸大、短大部の両事務局長が交渉員として出席、ベア、夏期手当など経済問題の金額だけを回答し、他の労働条件に関する要求はすべて「団交になじまない、しない」として拒否しました。特に教員が昇格差別のため給与号俸が頭打ちとなって昇給しないで続いている点においても号俸アップを「検討中」といったまま何年も放置したままです。  学院のこういった団交姿勢はここ数年続いており、当初金額のみを回答し、他の要求は一歩も進展しないまま一旦持ち帰り、次回予定された継続団交は拒否し、「暫定支給」として一方的に支給する事態が続いています。
 この団交中、組合から「持ち帰って(理事長に)報告して決めるのでなく、この団交の場で(交渉員は)回答を決定できないのか」という趣旨を発言したところ、常務理事は「ここでは決められません」と言ったかと思うと、突然「団交は拒否します」「次回(の団交)をやらない」と席を立って中止となりました。これは不当配転事件で府労委から6月12日に学院へ示された「団交で交渉人は交渉し、決定する権限はあるか」との求釈明事項に対して、図らずも実例をもって示したことになり、また団交中に団交拒否宣言をするというとんでもない無法ぶりでした。さらに、6月26日付で教職員に配付した、ベア、夏期手当の支給を知らせる「お知らせ」文書では、従来から記載していた一方的支給(暫定支給)を外し、さも妥結したかのような文書としています。組合はこれらに対し、抗議文と団交申し入れを行っています。
 このように労働法に背く非常に悪質な数々の不当労働行為と、組合への敵対的姿勢を続ける塚本学院理事会は広く各界から糾弾されてしかるべきでしょう。


投稿者 管理者 : 2006年07月27日 00:01

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