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2006年08月28日

鹿児島国際大学不当解雇事件、仮処分命令取消訴訟 第2回審尋

 鹿児島国際大学不当解雇事件に関わり,現在,仮処分命令取消訴訟なるものが学園側から提訴され争われている。この第2回審尋が8月21日に鹿児島地裁で行われた。

 この事件では多くの裁判が行われてきた経過があり,混乱を避けるために,最初にこれまでのものを整理しておきたい。鹿国大不当解雇事件に関わり争われてきた裁判は,現在進行中も含めて,以下のように全部で9件に達する。

鹿児島国際大学解雇事件 訴訟一覧

(1)2002年04月05日 3教授側からの地位保全等仮処分申請鹿児島地裁決定 2002年9月30日 3教授全面勝訴)
(2)2002年11月19日 3教授側からの解雇無効・地位保全を求める本訴の提訴鹿児島地裁判決 2005年8月30日 3教授全面勝訴)
(3)2002年12月25日 (1)の仮処分決定を不服とした学園側からの異議申立裁判鹿児島地裁決定 2004年3月31日 3教授全面勝訴)
(4)2003年04月22日 南日本新聞社と被解雇者の1人を学園側が名誉毀損・損害賠償で訴えた裁判鹿児島地裁判決 2004年1月14日 教授側全面勝訴)
(5)2003年10月15日 3教授が2003年10月以降の賃金仮払いを求めた仮処分再申立裁判鹿児島地裁決定 2004年8月27日 3教授側全面勝訴)
(6)2004年04月17日 (3)の異議申立裁判で敗訴した学園側が福岡高裁宮崎支部に保全抗告(学園側が自ら取り下げた 結果として3教授側全面勝訴)
(7)2005年09月08日 学園側が本訴判決に従わず,これを不服として福岡高裁宮崎支部に控訴(現在,進行中。結審した)
(8)2005年10月07日 本訴地裁判決のあと学園側が賃金相当額の振込みを停止したため3教授側 福岡高裁宮崎支部に仮処分申請(2005年11月29日和解にて,3教授に賃金相当額の支払
(9)2006年06月28日 学園側が被解雇者1人に対して,研究室使用に関する仮処分命令の取消を鹿児島地裁に申請(現在進行中)

 上記表題にある仮処分命令取消訴訟は,このうちの9番目の裁判にあたる(まさに裁判だらけ。しかし,3教授側は1回も負けたことはない)。この裁判の第2回審尋が8月21日に行われた。学園側からはすでに,8月11日付「主張書面(1)」が提出され,他方教授側は「準備書面」を8月21日付で提出した。
 争点は,以前の記事で掲載した通り。今回新たに裁判所に提出された書面を読んだが,教授側のそれは学園の主張書面を論破仕切っており,見事なほど完璧なものであった。

 他方,すでに,本訴に関わる控訴審(福岡高裁)は4月21日をもって結審しており,その後に及んで,学園側は今回のような研究室使用の取消を裁判所に持ち込んだのである。これは裁判の引き延ばし以外の何ものでもないことは,誰が見ても明らかではないだろうか。

投稿者 管理者 : 2006年08月28日 00:01

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