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2006年08月14日

国際人権規約、報告書未提出 外務省「無償教育」対応できず

■毎日新聞(2006/07/29)

 ◇国連の“宿題”ほったらかし

 日本政府が、国際人権規約に関する原則5年に1度の定期報告書を6月末の期限までに提出できず、今も提出のめどが立っていないことが分かった。国連から、高等教育の無償化などについて指摘されたことへの対応をまとめきれていないためだ。外務省は「人手不足」と釈明しているが、国内の識者からは「政府は人権への意識を欠いている」という批判の声が上がっている。
 未提出なのは、人権規約のうち、社会権に関するものを定めたA規約の定期報告書。同規約の締約国は今年5月現在で英独など153カ国で、日本も79年に批准したが、大学など教育の権利保障を規定する13条の「無償教育の漸進的な導入により」の部分を留保した。
 留保しているのは、他にはルワンダとマダガスカルの2国だけ(米国は規約を未批准)。日本は留保の主な理由を「私立学校の占める割合が大きく、無償教育の導入は私学制度の根本原則にもかかわる問題」(01年の定期報告)と説明しているが、国連社会権委員会は01年8月、日本が主張を変えないことに懸念を表明し、対応の報告を求めていた。
 外務省は「いつまでかは言えないが、可能な限り早く提出したい」とするものの、文部科学省は今年5月の教育基本法特別委などで高卒社会人との税負担の不公平感や財源問題などを理由に難色を示しており、省庁の意見がそろうのは困難な情勢だ。
 留保撤回などを求める市民らでつくる「国際人権A規約第13条の会」運営委員会代表の細川孝・龍谷大助教授は「段階的な無償化を通じて教育を受ける人権を実現するとの理念を示したもので、留保自体が問題だ」と批判している。

朝日新聞(2006.8.4)「大学の学費 無料化を 強まる動き 国は難色」  

 「大学の学費を無料に!」という大学の学生、教員らの運動が活発化している。「高等教育の学費の漸進的無償化」をうたった国際人権規約を守れるかどうか、今年が日本政府から国連への回答期限だからだ。文部科学省は「無償化すれば年2~2.5兆円の支出となり、財政難の中、実現は難しい」と留保継続の構えだ。だが、学費は上がる一方。授業料免除を受ける大学生も増えており、教員らは「教育の機会均等のためにも、無償化にかじを切るべきだ」と訴えている。……

京都新聞(2006年08月01日)「学費の無償化」
参考資料
高井美穂、国際人権規約に対するわが国の取り組みに関する質問主意書(平成十八年六月十五日提出)
小泉純一郎、衆議院議員高井美穂君提出国際人権規約に対するわが国の取り組みに関する質問に対する答弁書(平成十八年六月二十二日)

投稿者 管理者 : 2006年08月14日 00:00

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