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2006年09月13日

横浜市立大学教員組合、教員評価制度問題に関する見解 「安易かつ拙速な「試行」実施に反対する!」

横浜市立大学教員組合
 ∟●教員評価制度問題に関する見解

教員評価制度問題に関する見解

2006年9月11日
横浜市立大学教員組合

教員評価制度の安易かつ拙速な「試行」実施に反対する!
教員の皆様は、今年度後半に予定されている
「試行」に参加する必要はありません!

 教員評価制度のあり方は、給与、昇任・再任など処遇への反映にも直結します。
 杜撰な制度設計に基づく「試行」は、大学を大混乱に陥れる危険性があります。

 大学当局は、「教員評価制度」に関する教員向け説明会の開催(9月中旬から10月中旬にかけて)、および今年度後半における評価制度の「試行」を予定しています。
 教員組合は、当局から示された評価制度実施案を検討したところ、その内容においても、また前提条件の準備や実施手続きに関しても、きわめて多くの問題があるため、8月15日、当局に対し本件に関する質問書を提出しました。9月1日、これに対する当局からの回答がありましたが、その回答内容の多くは、当方の質問に対しほとんど応えていない、きわめて不十分なものと言わざるをえません。
 現在の評価制度実施案は、かえって大きな弊害をもたらしかねないような、内容的にきわめて不適切な点が依然として多く残されたままであること、評価制度の前提条件とすべき環境整備も未だほとんどおこなわれていない状況にあることが、この回答書から改めて明らかになっています。
 直近に予定されている教員説明会に関しても、各教員からのさまざまな疑問や問題点の指摘が十分に勘案されていく保障は、今のところ何ら明確にされておらず、これまでの事例に見られるように、事実上、教員説明会が単に一方的に教員に対し情報伝達するだけの「儀式」に終わってしまう危険性もあります。
 また、今回当局が実施しようとしている、今年度後半における「試行」(長く見ても半年間、実質的には3ヶ月程度)は、評価制度案が実施の1サイクルを1年間(準備やその後始末を入れれば、1サイクル完了まで実質的には1年数ヶ月の期間)でおこなうことを想定している点との整合性を、全く認めることができません。
 このように、内容的な不適切さ、前提条件整備の不完全さ、実施に至るまでの手続き上の不十分さ、そしてタイムスケジュールの面での矛盾などは、教員評価制度に関する当局側の姿勢が、きわめて安易かつ拙速なものであることを示しているものであり、多くの問題を積み残したままで今秋から「試行」をおこなったとしても、本来的な試行としての意味を持ち得ません。教員組合は、もし評価制度を導入するというのであれば、計画通りの期間枠で、最低限でも1年間をかけてしっかりとした試行をおこない、あらゆる問題点を洗い出し修正した上で導入することが、必須の条件であると考えています。
 このままでの拙速な「試行」の実施は、今後にさまざまな面で大きな弊害をもたらしてしまう危険性さえあります。多くの教員が安易に「試行」に参加してしまうと、多大な問題を残したまま「実施」に移される可能性を高め、そうなると事態は一層混乱することは確実です。
 今回の「試行」にあたり当局は、「試行」への参加は強制ではなく、あくまで各教員の任意であることを前提としている模様で、今回の「試行」へ参加するか否かは、各教員に対する処遇とは何ら関係はありません。
 教員の皆様におかれましては、上記の点をお考えの上、「試行」への参加に関し慎重な対応をお願い申し上げます。

以上


投稿者 管理者 : 2006年09月13日 00:00

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