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2006年11月03日

冴えない質問と珍奇な回答-国大協「学校教育法の改正に伴う共通的主要事項についてのQ&A

新首都圏ネットワーク
 ∟●冴えない質問と珍奇な回答-国大協「学校教育法の改正に伴う共通的主要事項についてのQ&A(参考:未定稿)」読解-

冴えない質問と珍奇な回答-国大協「学校教育法の改正に伴う共通的主要事項についてのQ&A(参考:未定稿)」読解-

はじめに

国立大学協会(国大協)の定款第5条(事業)は、法人としての国大協の目的を達成するための事業の一つとして、「(4)国立大学法人の経営に関する支援」を挙げている。その国大協の経営支援委員会人事・労務小委員会の名でつくられた文書「学校教育法の改正に伴う共通的主要事項についてのQ&A(参考:未定稿)」(以下、「Q&A」)が流布されている。

……

いま一つは、一点目とも不可分であり、かつこちらの方が性格としてより重要であるが、助教と新助手の採用を契機とした、専門業務型裁量労働制の適用と任期付雇用の拡大のための方策の指南である。だがその指南も論理は恣意的で、過誤への依拠さえ見出される。

各国立大学法人がこのQ&Aに沿って現行助手の労働条件の変更を敢行するならば、著しい制度変更が若手を中心とする助教・新助手にもたらされる。助教への任期付雇用の拡大は、任期付が常態であるPDから引き続く不安定雇用の延長となり、その期間は学位取得後から通算すれば10年近くにも及ぶ。加えて助教にはPDにはない教育への義務も法的には生じるが、これでは改めて明記するまでもなく労働・雇用条件の引き下げである。学術研究が求める研究者間の共同・連帯と、雇用における研究者間の孤立化・分断との緊張関係の中で、大学における若手教員の健全な成長が危機に瀕している。一方、新助手の職種がこのQ&Aにしたがって野放図に設置されれば、その問題性は限界を見出せない。

法が施行される時期が迫り、その学内準備は大詰めに差し掛かっている。大学の若手教職員、とりわけ現行助手にとって、法改正への対応は大学における自らの教育研究活動を守り発展させるための問題となっている。若手教職員自らが教職員組合運動をはじめ、取り組みの中に主体的に参画していく必然がここにある。このQ&Aは、大学教職員組合運動が若手教職員による新たな興隆のための、時宜にかなった提起を示している。……


投稿者 管理者 : 2006年11月03日 00:14

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