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2006年11月15日

東京学芸大教職員、教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明

■「意見広告の会」ニュース371より

教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明
東京学芸大の教職員を対象とした試み

教育基本法改正案の廃案を訴える緊急声明への賛同のお願い

皆さまもご存知のように,現行の教育基本法の精神を大きく転換させる全面的な「改正」案が国会で審議されています.政府与党は今国会(会期末は12月15日予定)での成立を目指し,今週中にも衆議院の通過という見通しも出てきております.今回の「改正」については,内容にも進め方にも大きな問題があります.緊迫した情勢の中で,私たちは,教員養成系大学の教職員としての意見を社会にアピールすることはひとつの責任ではないかと考えました.そこで,添付するような「教育の国家統制を強化する教育基本法改正案の廃案を求める緊急声明」を呼びかけ人と賛同していただいた方の氏名を付して,政府,国会や各政党,文科省,マスコミなどしかるべき機関に送付したいと考えております.

賛同していただける方は,11月27日(月)までに,末尾の賛同フォームをこのメールに対する返信メールでお送りください.また,書面で賛同の意志を呼びかけ人まで伝えていただいてもけっこうです.12月1日には公表できればと思います.

なお,11月29日に教育基本法問題についての講演会を開催いたします.17時30分から講義棟C-201教室にて行いますので,是非ご参加ください.ちらしなどを別途配布いたします.

なお,本メールは,学内でアドレスを公表されている構成員全員に配布させていただいております.外部へ公表する際は,氏名のみとし,50音順に並べさせていただく予定です.個人情報につきましては,十分に注意して取り扱わせていただきます.

1人でも多くの皆さまの賛同をお願いいたします.

2006年11月13日

呼びかけ人(五十音順)
 伊藤 良子 (教育実践研究支援センター)
 大竹美登利 (総合教育科学系)
 小川  潔 (自然科学系)
 川手 圭一 (人文社会科学系)
 木村 茂光 (人文社会科学系)
 小嶋 茂稔 (人文社会科学系)
 坂井 俊樹 (人文社会科学系)
 関沢 正躬 (自然科学系)
 高橋  智 (総合教育科学系)
 滝沢  清 (自然科学系)
 田中 喜美 (自然科学系)
 藤井 健志 (人文社会科学系)
 藤本光一郎 (自然科学系)
 三石 初雄 (教員養成カリキュラム開発研究センター)
 山口源治郎 (総合教育科学系)

声 明 文

教育の国家統制を強化する教育基本法改正案の廃案を求める声明

先の国会で継続審議となった教育基本法改正案の審議が10月30日衆議院教育基本法特別委員会で再開された.政府与党は今国会での教育基本法改正案の成立を目指すと言って,情勢は緊迫の度を加えている.我々は教育に深く関わる東京学芸大学の教職員として,以下のような観点から教育基本法改正案を廃案にするよう強く求める.

1.現行の教育基本法は,第二次世界大戦の反省に基づき,憲法と一体となって国民一人ひとりの自主的・自律的な人格形成の営みを保障しているものであり,その意義はますます増している.「改正」案は,現行法の根幹を180度転換し,国家による教育の統制を強化するものである.しかし,現行教育基本法の根幹を変更しなければならない理由はいまだに十分に説明されていない.

2.政府文部科学省の提出した「改正」案は,第2条(教育の目標)において,法律で強制すべきではない「愛国心」や「公共心」などの徳目が掲げられているほか,第16条(教育行政),第17条(教育振興基本計画)において,国が教育内容の国家基準を設定し,その達成度の評価とそれに基づく財政配分を通して教育内容を事実上統制する仕組みが盛り込まれている点など,大きな問題がある.

3.教育基本法は「教育の憲法」とも呼ぶべき重みをもつ法律であり,その影響は学校での教育にとどまらず,非常に広く深い範囲に及ぶ.しかし,国会の審議や,国民的な議論は極めて不十分であるといわざるをえない.国会において徹底的な審議が行われ,国民の前に問題点が明らかにされなければならない.

4.学力問題や格差問題に加えて必修科目未履修やいじめなどに関する話題が連日報道され,教育の問題は大きな関心を集めている.しばしばそれらの問題解決と教育基本法の「改正」が関連して語られることもある.むしろ,現在の教育の抱えている問題は,現行法の精神が教育行政や教育現場において軽んじられていることに起因していると考えるべきである.

以上


投稿者 管理者 : 2006年11月15日 00:01

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