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2007年01月11日

関西圏大学非常勤講師組合、非常勤講師の処遇改善の取り組みを通して思うこと

京滋私大教連
 ∟●機関紙No117(2006.12.25号) 

非常勤講師の処遇改善の取り組みを通して思うこと

関西圏大学非常勤講師組合
副委員長 長澤高明

非常勤講師の処遇改善の取り組みを通して思うこと。
 
 この季節になると組合員・非組合員を問わず、来年度の雇い止めや減ゴマの相談が非常に多くなります。その理由はさまざまですが、一番腹立たしいのはその理由を本人が大学(窓口になっている専任教員)に聞くまで何の説明もないということです。当組合は大規模大学との定期団交の際に、雇い止め・減ゴマに際しては必ず本人に丁寧な説明をするよう求めています。もちろん、本人が納得できないという場合は、改めて団交を申し込みますが。

 龍谷大学とはこの秋の定期団交で、「苦情処理と事前協議に関する申し合わせ」を結ぶことになりました。まだ、正式に文書を取り交わしたわけではありませんが、非常勤講師が当組合を通じて人事や勤務条件に関する苦情を大学に申し立てた場合に、大学側が事情を聴取し、迅速かつ公正な解決を試みるというものです。さらに組合員の労働条件を不利益変更する場合は、その決定に先立ち、当組合と協議するというものです。
 
 これは無用なトラブルをできるだけ避けるという点からも、また非常勤講師の不安を少しでも取り除くという点でも評価できるものです。また龍谷大学は、非常勤講師が病気や出産で講義を長期休講せざるを得なくなった場合でも、本人に不利になるような取り扱いはしないと明言しています。このような姿勢を他の大学も少しは見習ってほしいものです。今、非常勤に行くのなら龍谷大学がよいという噂が広まっています。(笑)
 
 中小規模の大学では相変わらず専任教員による恣意的な減ゴマ・雇い止めが横行しています(大規模大学でもありますが、とくに中小規模大学ではひどいですね)。「定員割れが原因でカリキュラム改編を余儀なくされたから」という説明を後からよく聞きますが、私たちが聞きたいのは、複数の非常勤が同じ科目を担当している場合(特に外国語科目)、なぜ減ゴマ・雇い止めの対象がAさんであってBさんではないのかということです。説明責任」を果たすのは、今や、どの分野でも常識となっているはずですが、残念ながら、高等教育の分野では、まだまだ、ちゃんと説明をしようという常識はないようです。というわけで、この季節は忙しいのです。


投稿者 管理者 : 2007年01月11日 00:03

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